宿泊業の「働き方改革」10のキーワードKeyword9 プロ人材の育成

サービス向上にむけた教育研修の機会をつくり、魅力的なキャリアパスを提示する

効率化を進めるとともに、サービスのプロを育成していくことが収益拡大には重要である。宿泊業の現場で働くスタッフで、通常の業務を離れて受けた研修がないと回答した割合は80%近くに上っている(図12)。また、実務の場においても、60%以上が知識や技術を習得する機会が全くないと回答している(図13)。
これでは、サービスの質の向上につながらない。接客スタッフのサービスが企業の価値創造の源であるという考えからは逆行している。

これまで検討してきたように、総労働時間を圧縮し、安定稼働させることで、計画的な教育体系を設定することが可能だ。そこに付加価値をつけられる高度専門人材を育成する機会、仕組みが導入でき、プロフェッショナルを育てる好循環につながる。
また優秀な人材を獲得し、定着してもらうためには、魅力的なキャリアパスを提示することも有効だ。顧客に価値を提供するプロフェッショナルや、経営者としての独立・起業など、魅力的なキャリアを提示することで、求める人材の確保が可能になる。