宿泊業の「働き方改革」10のキーワードKeyword10 企業間・店舗間のネットワーク

企業・地域を超えて提携を行うことにより規模を生かしてリソースを最大限活用可能に

生産性向上に向けた改革が成果を生むには、1つの旅館だけで取り組むには限界があり、ある程度の経営規模が必要となる。中小規模の旅館が改革を行うためには、企業や地域の枠組みを超えた連携を行うことで、規模の拡大を実現することが望ましい。

例えば、複数の旅館で共通のシステムを開発・導入したり、システムを使って共同購買を行ったりする。あるいは、施設間の人材交流や教育研修の共同実施などによって、企業単独では難しいレベルの生産性向上を追求することが可能になる。
また、宿や地域を超えたネットワークを構築することで、細分化した業務を集めて効率的な業務につなげることもできる。例えば、食材の下ごしらえなど、各旅館で分散して実施をすると多くの人手がかかってしまうことを、ある旅館の調理場をセントラルキッチンとして複数の旅館で活用するという方法がある。

Case Study5
鶴巻温泉 元湯 陣屋(神奈川県)

元湯 陣屋では、共通システム「陣屋コネクト」のネットワークを活用した「JINYA EXPO」というリソース交換ネットワークサービスを展開している。これは旅館同士が相互に連携・交換・助け合いができる仕組みで、共同購買による調達力の強化、旅館間での人材交流、商品の共同開発などを行っている。