2014年度研究プロジェクト

米良はるか自分のフィールドを見つけ、
極めていく人に出会うとドキドキする

どんなことがあっても、自分を前に進めなければいけない。それをやめてはいけない――。子どものころからそんなふうに思っていた。コピーライターであり、起業家でもある父に「失敗することをおそれずに生きていきなさい」と言われて育った影響が大きい。ただし、高校時代までは、何かをやりたいという強い思いや、社会に対する問題意識を持つようなことはなかった。

穏やかな校風の私立一貫校に小学校から通っていて、執着心がなく、目立たず平和に生きていたいタイプでした。自分が意外と物事に打ち込む性格だと知ったのは、高校の部活でグランドホッケーを始めてからです。何かを頑張るということを楽しいと感じるようになり、勉強にも意欲が出て。ちょっと頑張ってみたら、試験の成績がクラスで1位になったんですね。内部進学生は成績にも無頓着な人が多く、私もそうだったのですが、そのときに「これくらいの頑張りで1位になれたということは、さらに頑張れば、勉強ももっとできるようになるかもしれない」と初めて学業面で向上心みたいなものが芽生えたんです。それで、学業面でより刺激を受けたいと附属の大学には行かず、慶應義塾大学経済学部に入学しました。

入学後は友人が新しくできたり、大学祭の実行委員をやったりと毎日が目まぐるしく過ぎていきましたが、楽しいばかりで、目の前のことが実になっているという感覚がなくて。転機となったのは、大学3年生のときにインターゼミで東京大学大学院准教授の松尾豊先生と出会い、人物検索Webサイト「あのひと検索スパイシー」の開発プロジェクトに参加させていただいたことです。「あのひと検索スパイシー」はその人の経歴だけでなく、人物相関図まで見せるのが特徴で、従来にはない検索サイトでした。

ゼロベースから社会的にインパクトのあるものを作るという経験はエキサイティングで、インターネットの即時性や拡散力に無限の可能性を感じました。もうひとつ私にとって大きかったのは、自分のフィールドを見つけて頑張っている人たちに出会えたことです。とくに松尾先生は気鋭の人工知能研究者で、その明晰さや情報量、最先端のテクノロジーを社会とつなげようとする熱意にひきつけられました。

私は昔から、ものを作ったり、何かを生み出す人を見るのが好きなんです。父もそうだし、祖父も発明家で、その姿を子どものころからかっこいいなと思っていました。自分のフィールドを見つけ、そこでストイックに取り組んでいる人に出会うと、今もドキドキする。応援したいし、私自身も何かを一生懸命やりたいという思いに駆られるんです。

2015年04月24日