2014年度研究プロジェクト

「世界一の旅行会社をつくる」という夢を澤田秀雄
原動力に、挑戦を続ける

現在、H.I.S.は125都市に83拠点(2015年2月時点)を擁する。日本の旅の変革を求め、格安海外航空券の販売からスタートした会社は、世界にも知られる総合旅行企業へと成長した。常に時代に先んじてきた澤田氏の関心事は、今、どこにあるのだろうか。

2008年に「アジア経営者連合会」というのをつくったんです。日本、アジア各国で活躍する新興企業や中小企業の経営者、また日本で活躍するアジアの経営者が集う場で、さまざまなコミュニケーションを通じて相互に助け合い、成長していくのが会の目的です。

欧米からアジアの時代が来る――会を設立したのは、そう考えてのことです。徐々に兆しは表れていますが、僕はもっと本格的なアジアの時代が到来すると予見しています。LCCが登場して安く海外に行けるようになり、これだけ情報が発達すれば、人や経済はもっとボーダーレス化する。その時、人口の多いアジア全体が動き始めれば、新たな大航海時代が訪れるわけです。だから僕は、「どんどんアジアに出てビジネスをしたほうがいい」と、若い人によく言っているんです。

我々としては、インバウンドに力を入れるために、タイとインドネシアにはいち早く旅行会社をつくり、準備を進めてきました。今、タイでは一、二を争う旅行会社になっていますが、次はフィリピン、中国と加速させていくつもりです。

創業当初から「世界一の旅行会社をつくる」という夢を掲げてきました。それが我々の原動力。そして、どうすれば日本のため、世界の未来のために貢献できるか。常にそれを考えるのも原動力になっています。というのも、旅行って平和産業なんですよ。旅に出て、世界を見て、さまざまな人と触れ合って笑顔が生まれていれば、そこに戦争なんて起きないでしょう。裏を返せば、戦争が起こった瞬間に渡航などできないわけで、我々のビジネスは、世界が平和でなければやっていけないということです。まだまだ言っているほど足跡を残せていませんが、我が事業が世界平和につながっていると自覚し、挑戦を続けていきたいと思っています。

澤田秀雄
株式会社エイチ・アイ・エス 代表取締役会長
ハウステンボス株式会社 代表取締役社長
澤田ホールディングス株式会社 代表取締役社長


プロフィール

1951年大阪府生まれ。
73年に旧西ドイツ・マインツ大学経済学部に留学。在学中、世界50カ国以上を旅行する。80年、エイチ・アイ・エスの前身となるインターナショナルツアーズを新宿で開業。96年、オーストラリアにThe Watermark Hotel Gold Coastをオープン、会長に就任。同年、スカイマークエアラインズ(現スカイマーク)を設立。その後証券業などにも参入。2007年、澤田ホールディングス株式会社代表取締役社長に就任。10年、ハウステンボス株式会社社長に就任。現在、公益財団法人東京交響楽団理事長ほか、ハーン銀行(モンゴル)会長なども務める。

TEXT=内田丘子 PHOTO=刑部友康

2015年03月20日