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研究レポート

川添高志掲げるビジョンは、
「医療界のジャニーズ事務所」

2012年には、起業の原点でもある在宅医療、高齢者介護にも本格参入。運営している訪問看護ステーションは「24時間365日対応」で、在宅での療養生活を支援する様々なサービスを提供している。経験の浅い看護師は訪問看護に不向きであるとされるなか、若い人材の登用や教育に尽力し、本事業においても川添氏は、新たな事業モデル、サービスの創出に挑み続けている。

「医療・福祉界のジャニーズ事務所を目指す」。僕は、ビジョンとしてよくこんな言い方をしているんです。「ケア」と「プロ」で革新的なヘルスケアサービスをプロデュースする会社、それがケアプロの未来構想です。

例えば、栄養管理のビジネスをしたい、メンタルケアのビジネスをしたいといった、いろいろな芽が出てきた時に、重要になるのはそれらをプロデュースする力です。世の中に必要だけど、ビジネスとして成立しづらいものを、儲かるようにつくり変えていく能力ですね。僕はそこを担いたいし、様々なタレントを発掘しながら、医療業界に独自のソーシャルビジネスを提供し続けたいのです。

医療業界で変革を起こすのは、決して簡単ではありません。法律や政治の問題、既得権益者からの圧力、技術の問題……壁がけっこうありますから。でも、ブレずにあきらめなければ、どんな壁が立ちはだかっても解決の糸口は必ず見つかる。そのためには、もっともっと能力や知識が必要なので、僕は先を走る一人として、学び続けたいと思っています。

社会にとって価値あるものを提供したいという思いは強いのですが、「特段の信念を持って」というより、自然に身を任せてきた感じなんですよ。もともと「自分はどうあるべきか」を常に問うてきたので、僕にとっては“べき論”から考えたほうが気持ちよく、自然なのです。日本人として、経営者として、あるいは川添家の跡取りとして、それぞれ自分らしくありたいと思っているだけ。その「自分らしく」を形成しているのは、これまでの人生で培われてきた経験です。僕の場合は、経験からいいと思ったことは増やし、イヤだと思ったことは減らしていく――極めてシンプルな話です。僕にとって、その行動と価値を最大化していける領域が医療界だったのです。幸いにも早い段階で気づけた道なので、このままずっと突き進んでいきたいですね。

川添高志
ケアプロ株式会社 代表取締役社長
看護師・保健師

プロフィール
1982年兵庫県生まれ、横浜市育ち。
2005年慶應義塾大学看護医療学部卒業。経営コンサルティング会社勤務、東京大学医学部附属病院での看護師としての勤務を経て、2007年にケアプロ株式会社を設立。日経ビジネス「次代を創る100人」やアショカ・フェロー、世界ダボス会議グローバルシェイパーズなどに選出。

TEXT=内田丘子 PHOTO=刑部友康

2015年05月01日