2014年度研究プロジェクト

小沼大地組織と社会の未来を切り拓く
リーダーの創出をミッションに

言語も文化も異なる地で、企業の看板を外した“一人の人間”として働き、現地NPOと共に社会課題の解決にチャレンジする。セクターや国境、既成概念といった枠を超えて得る圧倒的な原体験は、その方向性は違っても、必ず「個人の変化」を生む。人が変われば組織が変わり、ひいては日本を変えていくはずだ――かつて、小沼氏がシリアで胸に宿した想いは、着実にかたちになりつつある。

留職を経験した人は、それぞれのかたちで明確に変わります。職場復帰後、イノベーションを推進するような部署に入って新しい事業を立ち上げた事例もあって、これは“見えやすい”成果。あるいは、自分が携わっているビジネスが社会にどう影響しているのかと、留職前よりはるかに視野が広がったという声もある。よく覚えているのは、最初に留職を経験したパナソニックの方の「失敗が増えました」という言葉です。挑戦することを覚えてすぐに行動するようになったから……ですが、それがとても嬉しそうだったんですよ。

十人十色。かたちは違うけれど、社会との向き合い方において、皆さんエッジが立ってきているのは共通しています。自分がやっている仕事の意味は何なのか。社会とどうかかわっているのか。自分が何かやり方を変えれば、社会が変わるかもしれない――その可能性を信じられる感覚。まさに、社会課題解決型リーダーの志向性だと思うんです。そういう組織と社会の未来を同時に切り拓いていけるリーダーを創出することが、僕らのミッションです。

昨年、うちのメンバーが二桁になるタイミングで、改めて自分たちの行動指針「CROSS FIELDS WAY」を定めたのですが、その中に「人の可能性を信じ、挑戦を応援」というものを入れ込みました。僕自身も大好きな言葉です。人に情熱を蘇らせ、可能性を花開かせるような機会を提供して、共に日本が抱える複雑で多様な課題を解決していく。僕はここに胸が踊るのです。どんなに暑苦しいと言われようと(笑)、これは絶対にブレない軸。これから先、まだまだ困難に思えたり、迷うこともあるでしょうが、僕自身も挑戦を楽しみながら、志を同じくする仲間たちと全力で走り続けます。

小沼大地
NPO法人クロスフィールズ 代表理事

プロフィール
1982年神奈川県生まれ。
一橋大学社会学部・同大学院社会学研究科修了。青年海外協力隊(中東シリア・環境教育)に参加後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。同社では人材育成領域を専門とし、国内外の小売・製薬業界を中心とした全社改革プロジェクトなどに携わる。2011年3月、NPO法人クロスフィールズ設立のため独立。世界経済フォーラム(ダボス会議)のGlobal Shapers Community(GSC)に2011年より選出。

TEXT=内田丘子 PHOTO=刑部友康

2015年04月10日