2014年度研究プロジェクト

南壮一郎別の事業領域も視野に入れ、
世の中の選択肢と可能性を広げていく

創業してから6年。ビズリーチは46万人の会員(2015年5月現在)、3300社の企業を日常的にマッチングするサービスへと成長した。事業領域も、プロフェッショナル人材のみならず、さまざまな新規サービスを通じて20代の若手層やキャリア女性にまで広げていき、たった2人で始めた会社も520名の組織へと成長した。が、南氏にとってはまだ一里塚。「インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく」ために、今日も走り続けている。

この6年間を振り返れば、大きな志を持って集まってきた仲間たちとともに、自分たちが描きたい社会のあるべき姿を探ってきた期間でした。そして今、改めて感じているのは、日本の新しい時代の働き方を支えるためにも、仕事における選択肢と可能性をさらに可視化していくことです。

それを実現するためには、透明性が高く、中立かつ公平な市場ができることと同時に、採用に対する企業の新しい文化を創り出さなくてなりません。「ダイレクト・リクルーティング」という、世界ではごく当たり前の採用手法、採用文化を日本でも普及させることが大きな一歩となります。企業が、優秀な人材をより早くより安く採用しようと、主体的に動き出し、自らの採用力を取り戻すことを僕らは求めていきたいのです。

本来、働き方にまつわる選択肢や可能性はもっと多様であるべきだし、そのためには、日本の求職者も採用企業も自分のためにもっと主体性を持ってもらいたいのです。そのお手伝いを僕らがしていきたい。日本の働き方の歴史を振り返った時に、「21世紀の新しい働き方を支えたのはビズリーチだよね」と言われるように。

そして、いつかこの仲間たちで培ってきたものを生かして、世界に挑戦したい。日本からでも、世界に通用するインターネットサービスをつくれることを示したいんですよ。日本からは、トヨタやソニーのような世界的なメーカーが生まれています。IT領域においても、日本からグローバルに通用する企業が生まれてもおかしくありません。プロ野球の時もそうでしたし、ビズリーチでも6年間言い続けてきましたが、世の中にできないことはないのです。

価値あることを正しいやり方で、事業として創造していく。その意義と喜びを教えてくれたのは、三木谷さんでした。僕だけではなく、あの時の楽天イーグルスの創業メンバーは皆、あの時、あの場所で味わった、ある種の狂気を通じて、「世の中に不可能はない」という合言葉を胸に“覚醒”したのではないでしょうか。ビズリーチという会社を通じて、今度は、僕が集まってくれた仲間に対してそれを提供する番だと思っています。大きな志を持ちながら挑戦し続ける環境の中で、自分自身が成長する楽しみを味わってほしいんです。ともに戦う仲間たちを鼓舞し、新たな姿へ覚醒させること。これもまた僕の仕事の本分です。

南壮一郎
株式会社ビズリーチ 代表取締役社長

プロフィール
1976年生まれ。
1999年、米・タフツ大学を卒業後、モルガン・スタンレー証券に入社。2003年に独立。2004年、楽天イーグルスの創業メンバーとなる。その後、株式会社ビズリーチを創業し、2009年4月、管理職・グローバル人材に特化した会員制転職サイト「ビズリーチ」を開設。
2012年、ビズリーチのアジア版「RegionUP」(リージョンアップ)を立ち上げ、2014年、若手向けレコメンド型転職サイト「careertrek(キャリアトレック)」を開設。世界経済フォーラム(ダボス会議)の「ヤング・グローバル・リーダーズ2014」に選出。2015年、無料のクラウド型採用サービス「スタンバイ」を開設。

TEXT=内田丘子 PHOTO=刑部友康

2015年05月29日