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研究レポート

灘卒リーダーの挽回力
ただ、ここで断っておくべきは、開成卒リーダーの優等生ぶりが目立つのも、キャリア中期までだということである。キャリア中期を経て、45歳以上というキャリア後期に入ると、灘卒リーダーへの評価が急速に高まることになる。

図5は、図4と同じ方法で、キャリア後期における評価の実態を確認した結果である。ここからは、キャリア中期と異なり、灘卒リーダーの方が年収や役職が高く、顧客や社会からの評価については、ほとんど差がみられなくなっている様相が読み取れよう。開成卒のリーダーが「早咲き」だとすれば、灘卒リーダーは「遅咲き」として成功している。灘卒リーダーには、著しい挽回力があるようだ。

図5 45~60歳(キャリア後期)の年収・役職・周りからの評価
図5 45~60歳(キャリア後期)の年収・役職・周りからの評価

では、何がこの挽回力を支えているのか。考えられる要因を2点ほど挙げておきたい。

第一に、灘卒リーダーには、キャリア後期という段階に入っても、仕事やキャリアのための自己学習に取り組んでいる者が比較的多くみられる(図6)。中高時代と引きつけて考えれば、関心を持っていることや利益を出すという本分(目的)には手を抜かない性分だからというところか。徐々に学習から遠のく開成卒リーダーとは対照的に、過半数のリーダーがキャリア後期にも学習に精を出し、人材としての価値を高めている。

図6 自己学習に取り組んでいる者の比率
図6 自己学習に取り組んでいる者の比率

第二は、転職の効果である。たとえば、企業勤務者として働くキャリア後期のリーダーについて、平均年収を転職経験別に計算すれば、開成卒「経験無1660万→経験有1680万」であるのに対し、灘卒は「経験無1830万→経験有2400万」と大幅な上昇をみることができる。しかも、開成卒リーダーに比べて、灘卒リーダーの方が転職には積極的。総じて灘卒リーダーは転職をうまく利用しながらキャリアアップしており、だからこそキャリア後期までに状況を挽回することが可能になっているといえそうだ。

2015年04月28日