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研究レポート

「充実した仕事生活」と「抱えている葛藤」
超進学校のリーダーたちは、どのような想いを抱きながら仕事に取り組んでいるのか。調査では、(1)仕事は面白い、(2)仕事を通じて「成長している」と感じる、(3)同期の人と比べて、相対的に業績は良い、(4)自分の能力を発揮できていないと感じる、の4つの項目をたて、四択(まったくあてはまらない~非常にあてはまる)で答えてもらっている。まず、前者3つの回答分布からみてみよう。

図1は、開成・灘卒業生のうち「リーダー」に分類される者(課題関連行動と人間関連行動ともに「傾向有」の者)、その他の開成・灘卒業生、そして一般大卒のそれぞれについて、「あてはまる(やや+非常に)」と回答した者の比率を示したものである。ここからはなによりも、リーダーたちの充実した仕事生活ぶりを読み取ることができる。「あてはまる」の比率は、いずれの項目においても9割以上。一般大卒とのあいだには3割ほどの差が開いており、リーダー以外の開成・灘卒業生たちとの差も認められる。

図1 就業意識の回答分布(1)図1 就業意識の回答分布(1)

ところがここで、4番目の項目の回答分布をみると、やや異なった状況を目にすることができる(図2)。能力発揮について尋ねた逆転項目であり、否定的な回答のほうが望ましい状態を意味するものだが、「あてはまらない(あまり+まったく)」と回答する開成・灘卒業生のリーダーは7割程度であり、言い換えれば、3割近くが能力を発揮できていないと感じているということになる。一般大卒との差も1割強しかない。

図2 就業意識の回答分布(2)
図2 就業意識の回答分布(2)

急いで断っておけば、自分の能力を十分に発揮できているとする開成・灘卒業生のリーダーも多い。「まったくあてはまらない」とするリーダーの比率は3割であり、リーダー以外の開成・灘卒業生や一般大卒を大きく凌ぐ値となっている。ただ、繰り返せば、能力を発揮できていないという者も、同じように3割いるのである。仕事は面白く、成長実感もあり、相対的な業績も良い。けれども、持っている能力が発揮できているとは思えない。議論の余地はあろうが、一部リーダーの芽が摘まれている実態をここにみることができるように思う。

以下では、以上の議論を踏まえ、能力発揮項目への回答に注目しながら、リーダーの誰が葛藤を抱えているのか。逆に、誰が自分の能力を十分に発揮していると思えるような働き方ができているのか。こうした問いに踏み込むことにしたい。分析にあたって設定したのは、「リーダーの所属組織の問題なのか、携わっている仕事の問題なのか、リーダー自身の特性の問題なのか」という視点である。いま少し詳しく説明しよう。

2015年04月14日