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研究レポート

「開成・灘卒業生の働きぶり」事始め
ところで、リーダー論を展開する前に、開成・灘卒業生が従事している仕事や勤務先の企業特性、あるいは活躍ぶりを知るための役職や所得といった基本的な情報をおさえておく必要もあろう。第一回の残りでは、この点について簡単に確認しておくことにしたい。

まず、開成・灘卒業生が従事する仕事をおおまかに示すと、表1のようになる。両校は東大進学のみならず、医学部への進学の多さでも知られている。そして実際、医師として働いている者は2割強と、一般大卒に比べてかなり高い。大学教員・研究者として働く者も、文・理、医学部系を合わせて1割弱いる。企業で事務や営業、技術や企画などの仕事に従事している者は5割弱。一般大卒に比べて3割ほど小さい比率となっているが、見方を変えれば、開成・灘卒業者のおよそ半分が一般的な企業に勤務しているということになる。

表1 開成・灘卒業生の現職

表2 企業勤務の開成・灘卒業生の分布

次いで企業勤務の者を抽出し、勤務先の業種、企業規模、担当業務、役職の分布をみれば、表2のとおり。一般大卒と比べたときの開成・灘卒業生の特徴は、(1)金融・保険業、不動産業が多く、サービス業が少ない、(2)大企業勤務が多い、(3)事務や営業が少なく、企画やコンサルタントの業務を担当する者が多い、(4)部長職や社長、役員、理事として働いている者が多い、というところにある。

そして最後に、現職別の平均年収についても触れておこう。年収を尋ねる質問項目については、「差支えがなければ、およその額でかまいませんのでご記入ください」という注をつけたものの、結果として9割前後の回答者が答えてくれた。その回答を用いて算出すれば、表3のとおりになる。

表3 現職別にみた開成・灘卒業生の平均年収(万円)

医師として働く卒業生の年収の高さが目立つが、他の仕事に就いている者も、およそ1,000万円以上の年収を得ていることは注目される。企業勤務の者に限定しても、開成・灘卒業生の年収は一般大卒のそれの1.78倍となっており、両者のあいだに大きな差がひらいていることがわかる。

では、こうした状況を「リーダー」という視点から見直せば、どのような現実がみえてくるのか。次回からは、いよいよその点に話を進めることにしよう。

2015年02月19日