2014年度研究プロジェクト

開成・灘卒業生調査の実施
こうしたなか、私たちリクルートワークス研究所は、東西の代表的な進学校である開成中学校・高等学校と灘中学校・高等学校の卒業生を対象にした調査の実施を企画した。単純に開成や灘といった超進学校の卒業生たちがどのように働いているのかを知りたいという気持ちも大きかったが、それだけではない。開成・灘の卒業生たちのこれまでの経験や意識を調査し、その関係を分析することで、いまの日本社会が抱えている病のようなものがみえてくるのではないか。直面している課題を打破するための手掛かりが得られるのではないかと考えたからである。

調査企画を開成中学校・高等学校、灘中学校・高等学校両校にもちかけたところ、きわめて幸いなことであるが、快く引き受けてもらうことができた。そこで、次のような5つの柱からなるアンケート調査を作成し、実施を試みた。

(1)中高時代の状況
・勉強や大学受験への取り組み方とその成果
・部活動、課外活動、読書への取り組み方や人間関係をめぐる経験
(2)大学時代の状況
・勉強や就職活動への取り組み方とその成果
・体育会・サークル、アルバイト、読書への取り組み方や人間関係をめぐる経験
(3)就業後の状況
・初職と現職の勤務先情報や転職経験
・仕事への取り組み方とその成果
・読書、自己学習などへの取り組み方や人間関係をめぐる経験
・就業意識
(4)現在の仕事のアウトプット
・職位、所得、仕事満足度、業績に対する自己・他者評価
(5)中高時代への教育の評価
・キャリアに役立った度合いとしての評価
・やり直すとしたら何にどの程度力を入れるか

具体的な調査の実施時期や方法、回収状況については、下記に示したとおりである。ほとんどの対象者が多忙な生活を送っているであろうことから、回収率がどれほどになるのか不安がなかったわけでもないが、予想を超える数の対象者が回答する労をとってくれた。両校それぞれ500以上、合わせて1,000を超える回答が集まり、統計的分析にも耐え得るデータセットを完成することができた。なお、本調査の実施にあたっては、比較を目的として、首都圏の高等学校を対象者と同時期に卒業した大卒者(男子、ただし正規として現在働いている者)に対しても、ほぼ同じ内容の調査を行っている。

2015年02月19日