2014年度研究プロジェクト

大局観から、前に進むための構想が生まれる
朝比奈一郎氏
朝比奈 もう一つ大切なのが大局観です。題材はそこかしこにあります。たとえば身近にあるお茶や砂糖、木綿がどこで生まれ、どうやって世界に広がっていったかを文明史的に考えてみる。それから、車やパソコン、あるいはiPhoneを題材に同じようなことを考えてみる。
お茶も砂糖もiPhoneも、それ単体としてはよく知っているものでも、時間軸を入れて考えると、その物に対する見方が変わってくるわけです。そうやって物事を大局的にとらえる力、つまり大局観がリーダーには重要です。

― なぜでしょうか。

朝比奈 社会リーダーにとって一番難しいのは一歩前に踏み出すことです。その踏み出す時に、何らかの構想がないと踏み出せません。その構想がどこから出て来るかというと、大局観からなんです。時間や距離を超えて、一見関係のない事象を結び付けると、こういうビジネスやサービスはあり得るんじゃないか、こういう政策が今求められているんじゃないか、ということが見えてくる。
大局観を養うには無駄も必要です。世の中に、これさえ読めばリーダーになれる、リーダーの条件50か条のような本があふれていますよね。そういう本を僕は省エネ本と呼んでいる。80の力で100の成果が得られるというわけですからね。省エネ本は読んでもあまり意味ないぞ、と塾生には言っています。

100の成果を出したいのなら、無駄もたくさん経験しながら、200も300もやらないと駄目だぞ、と。しかも、最初は無駄だと思ったことも、将来、無駄ではなくなる可能性もたくさんある。その無駄の最たるものがこの塾かもしれません(笑)。英語力が伸びるわけではないし、MBAが取れるわけでもない。正直、すごくわかりにくい塾だと思います。通って何のメリットがあるのですか、という質問に対しては、「この時代や世界を自分なりに解釈できる能力が身につく」と言います。

2015年01月29日