2014年度研究プロジェクト

「元経営者」こそ、有益なサポートができる
北城恪太郎氏
- 実際にビジネスの現場でリーダー育成に携わり、NPO法人の会長職などにも就かれる北城さんですが、具体的にはどのような支援をされているのですか?

北城 元経営者って、営業や管理、人事など多岐にわたって目が利くわけだから、経営に関する指導はもちろんですが、大きいのは信用供与です。ベンチャー企業は信用がないから、活動しようと思ってもうまくいかないことが多い。いい製品、サービスをつくり出しても、大きな会社には採用してもらえないとか。大企業にしても、どんなにいいと言われても、できたばかりの会社が翌年も存続しているとは限らないから、購入する際のリスクが高いわけです。
そういう時、例えば私が社外取締役として販売先の経営陣に説明をすれば、少なくとも話は聞いてもらえる。で、よければ採用されます。信用を補完する意味で、元経営者は非常に大きな役割を果たせるのです。ベンチャー経営で成功した人が、後進を応援するケースはけっこうありますが、日本には、いわゆる大企業の経営者OBがたくさんいるのですから、もっと自分の社会的信用とノウハウを使ってベンチャー企業を支援してくれれば素晴らしいのに、と思うのです。

- なるほど。最近では、コーポレート・ガバナンスの観点から独立取締役の必要性に対する声が高まっていますが、ベンチャー企業を支援するというかたちでも有益なのですね。

北城 これまでの日本企業においては、社外取締役が重要だという意識が低かったのです。本来の取締役とは、株主の代表として、経営する人を“取り締まる役”なのに、日本の場合は、そうした役割と、実際に経営を行う経営幹部としての役割を兼ねているのがほとんどですから。アメリカの会社だと社外取締役が過半数存在するのに対し、日本はいても数人。だから、経営者OBに社外取締役として活動するという意識が薄かったんだと思いますが、最近ではよその会社の取締役に就く流れも出てきましたし、「じゃあベンチャー支援もやってみようか」という人が増えるのではないかと期待しているところです。

2015年02月12日