このインタビューでは、UターンIターンし活躍している本人とその上司の方にインタビューを行い、本人がどんな思いで転職を決意し、現場で本人、上司が何に悩み、何が問題解決のポイントになったのか、具体的な事例の紹介を通じて、活躍のポイントを明らかにする。

※調査結果をとりまとめた研究レポート 「UIターン人材活躍のセオリー」


民間で培った「顧客第一」を強みに、道庁の仕事の進め方を学び、なくてはならない存在に

広島の民間企業で約10年間の勤務の後、北海道へIターンし、北海道経済部産業振興局産業振興課で活躍する三橋氏と上司の松浦氏にIターンの経緯とその活躍のポイントについて伺った。

【本人インタビュー】

北海道経済部産業振興局産業振興課 産業振興課長
三橋 剛氏

<プロフィール>
大阪府出身。北海道の大学を卒業後、マツダ株式会社に入社。約10年勤務した後、1998年に北海道庁に採用される。


根源的に「ここに戻りたい。いつか住みたい」という思い

―現職に勤めることになった経緯を教えてください。

私は大阪出身で、大学時代を北海道で過ごしました。「具体的に北海道にやりたいことがあった」というわけではなくて、いつか北海道に住んでみたい、自然が豊かで広い所に住んでみたいという憧れと、いつまでも親に守られていてはよくない、家を出たほうがいい、と考えたのが理由です。
新卒では、自動車メーカーに就職したいという思いから、マツダに入社して広島県に移り住みました。ただ、その後も、根源的に「ここに戻りたい。いつか住みたい」という思いでした。そういう思いがあるなかで、たまたま新聞で、道庁の求人広告を見つけました。北海道の役に立てる仕事ならと思っていたので、受けることにしました。

―実際にIターン決断されたのは、何が要因でしたか。

2つありまして、1つは、就職後も「北海道に住みたい」という思いがずっとあったことです。1週間くらいの休みがあると、毎年のように北海道に遊びに来ていました。

2つ目は、転職の際に、辞める前に内定をいただいたことだと思います。というのも、最初は受かるとまったく予想していなかったので、まずは雰囲気をつかもう、試験を受けている何百人もの人たちの姿を見れば、刺激を受けるだろう、と考えて受けました。なので、受かってから「どうしよう」と悩みました。今年はたまたま受かったけれども、次の年に受けて受かる保証はない、と考えて決断しました。ご縁をいただいたことで、最終的な決断ができたと思います。

―転職された当初のことを教えていただけますか。

最初は、たとえばチョコレートとか、水産品とか、そういう道産品の販路を拡大する、地域産業課マーケティング係に配属になりました。
転職するまでは「これをやりたい」と言って自由にやらせてもらってきましたが、転職するときには、給料をもらう以上は貢献する、いつまでも雇ってもらえるとは限らないという覚悟を持ちました。「自動車の企画をしてきました」と言っても、「別にうちは自動車の企画はない」と言われます。ですから、道庁の仕事に置き換えたときに、自分は何ができて、どこで役に立てるのかということを一生懸命考えた記憶があります。


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