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産業・組織心理学会 第18回大会 研究発表
「知識創造を促進する人材マネジメントと企業業績の関係」
2002年10月5日、6日「産業・組織心理学会 第18回大会」が開催され、産業心理、組織心理に関する49件の研究発表と、4件のシンポジウムで、盛んな議論が交わされた。
ワークス研究所では一橋大学商学研究科 守島基博教授と共同研究を行った「知識創造を促進する人材マネジメントと企業業績の関係」を6日の口頭発表において発表した。
→研究発表資料
→発表論文
この研究は、知識創造過程を支援する人材マネジメントと企業業績との関係を、2001年に実施した「ワークス人材マネジメント調査2001」のデータを用いて実証的に明らかにしたものだ。知識創造を促進する人材マネジメント施策として「知識創造の場の設定」と「知的貢献への処遇」の2種の施策を分析の対象とし、上記2種の施策は、それぞれが単独で業績にインパクトを与えるのか?(施策の独立効果)また、この2種の施策を同時に実施することがインパクトを与えるのか?(施策の相互作用効果)を検証した。加えて、直接知識創造の促進を目的としていない自由な働き方を促す施策との関係(施策の内的一貫性の効果)、外部要因としての戦略との関係(施策と外的一貫性の効果)を、戦略人材マネジメントにおける4つの考え方(Huselid,M.A(1995))に基づき検証した。
1.分析結果
先の4つの考え方はそれぞれ以下のような結果を得た。
(1) 施策の独立効果→「知識創造の場の設定」と「知的貢献への処遇」の2種の施策は、それぞれ単独での業績へのインパクトは認められなかった。
(2) 人材マネジメント施策間の相互作用効果→「知識創造の場の設定」と「知的貢献への処遇」の2種の施策を合わせて行うこと(相互作用効果)による業績へのインパクトは認められた
(3) 人材マネジメント・システムの内的一貫性の効果→働き方に自由度がある場合、「知識創造の場の設定」と「知的貢献への処遇」の2種の施策を合わせて行うこと(相互作用効果)による業績へのインパクトは認められた。
(4) 人材マネジメント・システムと、戦略や環境などとの外的一貫性の効果→多角化戦略、国際化戦略を採用する企業群においては、2種の施策を合わせて行うこと(相互作用効果)による業績へのインパクトは認められ、リストラ戦略企業群や既存事業重視戦略企業群においては認められなかった。
2.この結果から考えられること
今回の結果より次の3つの知見が得られた。
一点目は、結果の(1)(2)より、人材マネジメント施策を行う上で、プロセスの支援と、結果に対する処遇は同時に行うことで初めて効果を得られるという示唆を得た。
2点目は、たとえば、新たな経営上のテーマが発生(たとえば知識創造する力の強化など・・・)した場合、通常はそれまでの人材マネジメント・システムをすべて変更するのではなく、新たな施策の追加と、部分的な変更で対応するであろう。今回の(3)の結果は、新たに生じた経営上のテーマに対応する人材マネジメント施策(たとえば知識創造の力の強化の施策)と既存の人材マネジメント・システムとの一貫性をとることの重要性が示唆されている。
また、3点目の知見としては、昨今、知識創造の力を高めるための各種人材マネジメント施策を導入している企業が多く見受けられるが、その企業の戦略上の意味の無いところでこれを導入しても機能しないことが示唆されている。これは、多角化戦略、国際化戦略など新しい取り組みが必要な場合は同施策は機能するが、リストラ戦略、既存事業重視戦略などの場合(知識創造があまり必要と考えられない戦略)同施策は機能していなかった。 |
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