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 Works University
―労働政策講義― Works Institute
リクルートワークス研究所
第6回講義
再就職支援
1 イントロダクション
2 公的機関の再就職支援
3 アウトプレースメント(再就職支援事業)とは
4 アメリカにおけるアウトプレースメントの歴史と現状
5 今後の展望
資料編
参考資料
3 アウトプレースメント(再就職支援事業)とは

(1) アウトプレースメントの仕組み
 一般登録型やサーチ型の職業紹介会社が求人企業の要請を受け、その企業のニーズにマッチした人材を探すことをビジネスとするのに対して、アウトプレースメント会社は何らかの事情で雇用調整を必要とする企業と契約し、雇用調整の対象となった人が新しい職に就くのを支援することをビジネスとする。職業紹介会社の顧客は求人企業であるが、アウトプレースメント会社の顧客は人材を送り出す企業と送り出された人の両方である。アウトプレースメント会社は、対象になった人に対し、出来るだけ早く、精神的に安定した状態で、仕事が得られるよう、それぞれの立場に立ち、専門的なカウンセリングをしながら就職活動開始から就職先の決定までを支援する。また、経営者に対しては、人員削減実施に際しての法的な問題(労働組合対策や個人的な事情への対応など)の解決策をアドバイスする。経営者は外部専門家を活用することにより、わずらわしい手間のかかる仕事から解放され、前向きな事業再構築に専念できるようになる。
 アウトプレースメントの料金は、送り出し企業の負担となる。料金設定は、送り出される労働者の年収ベースによる定率制(年収x10〜15%)の場合と、一律料金制(1人につき約70〜150万円)の場合がある。アウトプレースメントを受けてから再就職が決定するまでに要する期間は、個々のケースにより異なるが、3ヶ月〜4ヶ月程度が一般的である。

有料職業紹介事業の業態別サービス内容・対象者等の特徴
業態タイプ サービス内容 主な対象者 特徴
一般登録型
(employment agency)
求人企業と個人(求職者)それぞれからの依頼にもとづき、最適なマッチングを仲介するサービス。職業紹介としては最もポピュラーなサービス。求職者は、業界誌、求人情報誌、新聞広告、インターネット、各種セミナー等を通じて募集。 若手・中堅層を中心にホワイトカラー全般 求人・求職の蓄積により大量紹介が可能
サーチ型
(executive search)
求人企業の依頼にもとづき、その企業に最適な人材サーチ(検索)を行い、企業に引き合わせるサービス。ヘッドハンティング、スカウトとも呼ばれる。 上級管理職、上級専門・技術職 個別案件が中心で、秘匿業務的
アウトプレースメント型
(outplacement)
何らかの理由で、自社内で雇用を維持することが困難になった社員の再就職を支援するサービス。本人への再就職紹介や受入企業の開拓、活用のためのコンサルテーションサービスまでを含めて広義に解釈されることが多い。雇用に限らず出向の仲介を行う場合もある。 中高年を中心とする人員削減、雇用調整の対象者 退職勧奨を受けた社員に対するカウンセリング機能が重要
(出所 雇用・能力開発機構生涯職業能力開発促進センター 平成13年度人材紹介業調査・共同研究開発事業報告書(2002年))

人材紹介事業における3つの業態別職務の特徴と流れ
人材紹介事業における3つの業態別職務の特徴と流れ
(出所 民営人材紹介事業協議会 http://www.jesra.or.jp/

再就職支援サービスの類型
類型 特徴 クライアント企業 費用 許認可 再就職先からの費用受領
Aタイプ カウンセリング、コンサルティングを通してクライアント企業の社員又は、退職した社員に対して再就職支援を行う。あわせて、自ら人材紹介の許可を取得し、適職の紹介を行う。 企業 企業から 必要 可能
Bタイプ 主として人材紹介業務を行うが、あわせてクライアント企業に対して再就職支援を行う。自ら適職紹介を行う事によってクライアントの社員の再就職を実現する。 企業 企業から 必要 可能
Cタイプ カウンセリング、コンサルティングを主として提供することによって、クライアント企業の社員に対して、再就職の促進をはかる。適職を紹介する迄は業務範囲に入らず、情報提供であるとか、提携先のポスト情報を本人に提供する。 企業 企業から 必要ない 不可能
Dタイプ 再就職に関する教育、コンサルティングの提供を主とし、再就職迄の机、電話、パソコン等の便宜供与を行う。セミナー等を開催し、再就職に役立てることも含まれる。 企業・個人 企業・個人から 必要ない 許可があれば可能
Eタイプ 人員対策を必要としている企業に対して、具体的な仕事の進め方、プログラムの作成、日程に関する助言等を行う。 企業 企業から 必要ない 不可能
(出所 再就職支援協議会HP)

(2) アウトプレースメントのメリットと活用方法
 アウトプレースメントは、送り出し企業、雇用調整の対象となった人、受け入れ企業にとって、次のようなメリットがある。
●送り出し企業のメリット
 (1) 雇用調整の対象者は労働市場に詳しいコンサルタントからアドバイスを受けられるため、送り出した企業に対する信頼感を損なうことが少ない。
 (2) 関連企業以外への転職も可能となる。
 (3) 人事部の負担が軽減される。
●雇用調整の対象となった人のメリット
 (1) 精神的に不安定な状態になりやすい失業時期に専門家のカウンセリングを受けられるため、求職活動に励める。
 (2) アウトプレースメント会社のサポートにより、比較的短い失業期間で次の仕事に就くことが可能。
 (3) アウトプレースメント会社の施設を利用することができる。
●受け入れ企業のメリット
 (1) 知識、経験、能力を兼ね備えた即戦力の人材が確保できる。
 (2) 雇用形態、待遇などの決定は、受け入れ企業がイニシアティブを取れる。
 (3) 対象者はアドバイスやカウンセリングを受けているので、受け入れ企業にとけ込みやすい。
 また、カウンセリングや研修を通して人材の意識改革を行い、自信を持たせるという方法論は、リストラクチャリングを行う企業以外においても活用できる。たとえば、人材ごとのナレッジ・ベース作成や、社内の意識改革ツールとしての活用などが可能性として考えられる(多勢2002)。
 他方、こうしたサービスの普及により、企業側が安易に雇用削減に走りやすくならないか、離職予定者の自主性や希望を尊重することが難しくならないか、また、市場の拡大や業者間の競争激化により、サービスの質が低下するのではないか、といった点が懸念されている。
 しかし、アウトプレースメントの歴史が古いアメリカで、アウトプレースメント会社の存在が企業の雇用削減に拍車をかけたという事実は認められず、むしろ、リストラクチャリングに慣れていない企業が不条理な雇用削減を行うことのないよう、アウトプレースメント会社がサポートするという形が多い。また、アウトプレースメント会社が、リストラクチャリングする側の企業と、リストラクチャリングされる側の労働者の間に入ることで、両者の摩擦も小さくなる。競争激化については、市場が大きくなれば、市場の自浄作用が逆に高まると期待してよいだろう。
アウトプレースメントのポイント
アウトプレースメントのポイント
出所 チャレンジャー1999
(2006年10月20日再掲載)
1 イントロダクション
2 公的機関の再就職支援
3 アウトプレースメント(再就職支援事業)とは
4 アメリカにおけるアウトプレースメントの歴史と現状
5 今後の展望
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