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 Works University
―労働政策講義― Works Institute
リクルートワークス研究所
第6回講義
再就職支援
1 イントロダクション
2 公的機関の再就職支援
3 アウトプレースメント(再就職支援事業)とは
4 アメリカにおけるアウトプレースメントの歴史と現状
5 今後の展望
資料編
参考資料
2 公的機関の再就職支援

(1) 公共職業安定所による再就職支援
 公共職業安定所は、2001年の「産業構造改革・雇用対策本部」における「中間とりまとめ」にもとづき、ハローワークの機能強化等を通じた再就職支援を行っている。具体的には、公共職業安定所のリストラ企業に係る情報把握機能の強化、離職予定在職者に対する相談・情報提供機能の充実(愛称:アシスト・ハローワーク)、職業紹介と職業訓練の連携の強化、募集・採用に当たっての事業主による年齢制限緩和の取組の促進、である。
 このなかで特に注目されるのは、リストラ企業内にハローワークの職員および相談員が出張して職業相談・職業紹介を行うアシスト・ハローワークである。アシスト・ハローワークは、企業の倒産・リストラクチャリング等の理由により大量に離職の発生が予定される場合に、離職予定者が在職中からその再就職活動が円滑に進められるよう支援する観点から、当該企業内に臨時のハローワークを設置して、職業相談・職業紹介を行うというものだ。設置する期間や対応する職員の数は、各企業や事情によって異なる(企業の事情により、企業内での窓口設置が可能でない場合は、各企業(事業所)のある県庁舎や市庁舎内に窓口を設置することもある)。企業内に再就職の相談窓口が設置されれば、離職予定者は送り出し企業に在籍している期間中に、その職場で再就職活動をすることができるので、利便性は高い。
 また、2006年3月、厚生労働省は子育てをしながら就職を希望する人に対して就職支援を行うマザーズハローワークを設置することを発表した(厚生労働省報道発表資料2006)。マザーズハローワークは全国12の都市で同年4月から順次オープンしているが、詳細は以下の通りである。
(1) 就職を希望する人のニーズを踏まえた担当者制によるきめ細かなマッチング
 労働市場の具体的な状況や、希望する働き方、退職前のキャリア等を踏まえたきめ細かな相談を行い、個々の希望や状況に応じた就職実現プランを策定するとともに、予約による担当者制のキャリア・コンサルティングなど一貫した支援を行う。
(2) 子ども連れの人が来所・相談しやすい環境、施設
 キッズコーナー、ベビーチェアの設置等子ども連れで来所しやすい施設にするとともに、子ども連れで職業相談等が行える十分な相談スペースの確保等、利用者の立場に立ったレイアウトで、気軽に来所できる環境を整備する。
(3) 子育て女性を応援する関係機関との連携による仕事と子育ての両立に関する情報の収集・提供
 地方公共団体等の子育て女性を応援する関係機関から、保育所や子育て支援サービス等に関する情報、仕事と子育てが両立しやすい求人や事業所の情報等の提供を受け、相談窓口で提供する。
(4) 希望やニーズを踏まえた求人の確保
 関係機関等から仕事と子育ての両立支援に熱心に取り組んでいる事業所等に関する情報提供を受け、求人開拓により求人を確保する。また、就職を希望する人の希望やニーズに適合する求人がない場合には、その人の希望や適性に沿った個別の求人開拓を実施する。
(5) 就職支援セミナー等の実施
 就職活動の具体的なノウハウ等に係る各種セミナー等を実施するとともに、関係機関が実施する再就職のための支援セミナー等についても情報提供を行う。

(2) 地方公共団体による再就職支援
 各地方公共団体でも、大型店舗の撤退や工場閉鎖などにより大量の離職者が発生した場合の対策を講じている。
 (1) 熊本県の場合
 熊本県では、大量の離職者が発生したとき、専用の相談窓口を設置し、再就職・賃金支払や生活資金に関する相談に対応するほか、巡回雇用労働相談を実施し、再就職支援にあたっている。
 (2) 沖縄県の場合
 沖縄県内の完全失業率は8.4%(2001年度。総務省の試算による)と非常に高く、雇用情勢は危機的な状況に直面している。そこで、政府は、失業者などに無料で雇用や就職に関する情報を提供する24時間対応のコールセンター「働(はたら)コール」を2002年4月より沖縄県内に設置。最大で150人規模のオペレーターを県内から採用し、全国各地の再就職希望者からの電話相談などに応じる。財源には2001年度補正予算に計上される緊急地域雇用創出特別交付金(仮称)を活用し、予算総額は約20億円。「働コール」はフリーダイヤルで受け付け、職業紹介や職業訓練などに関する情報の問い合わせ先を相談内容に応じて振り分けて紹介するほか、インターネットを活用した検索方法を教えるというもの。就職関連の情報提供を一元化することで、利用者の便宜を図る。コールセンター整備は県事業として行い、運営業務は民間に委託する。オペレーターは常時50人を配置し、2―3交代で24時間体制で電話を受け付ける。採用規模は最大150人程度になる見通し(実績は不明)(琉球新報2001)。

(3) 助成金制度
 厚生労働省は、再就職を支援するための助成金をいくつか設けているが、代表的なものだけをここで紹介する。1つは、定年、解雇その他の事業主の都合により離職することとなっている高年齢者等のうち離職後再就職を希望する者に対して一定の再就職援助措置を講じた事業主等に対して助成する在職者求職活動支援助成金である。これは、高年齢者等の在職中の求職活動に対する事業主による支援の促進を目的とする求職活動支援給付金、民間の職業紹介事業者を活用して再就職の取組を行う事業主に対する支援を目的とする再就職支援会社活用給付金、中小企業事業主の団体又はその連合団体による離職前の再就職援助の実施の促進を目的とする再就職支援体制整備奨励金及び事業主による離職後の高年齢者等の雇入れの促進を目的とする在職求職高年齢者等受入給付金の4つの制度で構成されている。もう1つは、労働移動支援助成金といわれるもので、これは、再就職援助計画を作成し、公共職業安定所長の認定を受けた事業主が、事業規模の縮小を伴い離職を余儀なくされる労働者に対し求職活動等のための休暇を付与する場合等や、民間の職業紹介事業者(再就職支援会社)を活用して再就職支援の取組を行う場合又は離職を余儀なくされる労働者を雇い入れた事業主が、当該者が従事する職務に必要な知識若しくは技能を習得させるための実習その他の講習を実施する場合について助成金を支給するとともに、中小企業事業主の団体又はその連合団体が、中小企業事業主に対して再就職援助に関する情報の提供、相談その他の援助を行うために必要な体制を整備する場合に支給される。労働移動支援助成金には、求職活動支援給付金、再就職支援給付金、労働移動支援体制整備奨励金および定着講習支援給付金の4種類がある(詳しくは別添資料編および厚生労働省HPを参照)。
 これらの助成金制度は、離職を余儀なくされた労働者の再就職活動を支援するために設置されたものであるが、なかには十分に活用されていないものもある。たとえば、労働移動支援助成金のうち、民間の職業紹介事業者(アウトプレースメント会社など)を利用して再就職支援を行なう場合に委託費の4分の1(上限30万円)が支給されるという再就職支援給付金は、2001年12月に新設されたものだが、2002年4月末までに実施された件数は、わずかに1件(支給人数2人、支給金額合計28万7千円)という状況である。公共職業安定所や各地方公共団体を通じての周知徹底を図る必要があるだろう。
(2006年10月20日再掲載)
1 イントロダクション
2 公的機関の再就職支援
3 アウトプレースメント(再就職支援事業)とは
4 アメリカにおけるアウトプレースメントの歴史と現状
5 今後の展望
資料編
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