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3 フリーター、新しい形の日雇労働者
フリーターが増えている。厚生労働省のデータによると*7、2005年現在、フリーターの数は201万人となっている(厚生労働省 2006)。また、若年無業者*8といわれる「年齢15歳から34歳で家事も通学もしていない非労働力人口」も、64万人と2000年の44万人と比較すると20万人も増加している(厚生労働省 2006) 。
フリーターの最終学歴をみると、高校卒業者がもっとも多く全体の36.8%を占めており、これは同年代の正社員に占める高校卒業者の割合(21.9%)よりも、15ポイント近く高い(労働政策研究・研修機構 2005)。
また、1年以内あるいは1カ月以内の期間を定めて雇用される者は、労働統計上、臨時労働者や日雇い労働者に分類される。ワークス研究所が行ったフリーターに関する調査によると、フリーターの現勤務先での勤続期間は、48%が1年未満であり(ワークス2001)、フリーターの多くが比較的短期間で勤務先を変わっていることがわかる。このように短期のアルバイトを繰り返すフリーターは、新しいタイプの日雇い労働者であるともいえるだろう。
短期アルバイトのような雇用期間が極端に短い働き方にはいくつかの問題点がある。
1つは、雇用保険や社会保険の適用を受けられない可能性があるという点だ。フリーターでも同じ雇用主のもとで長期間働く場合には、労働時間や労働日数の要件を満たせば、雇用保険や社会保険を受けられるが、雇用期間が1カ月前後では適用対象外となり得る。ワークス研究所の調査によると、雇用保険の適用を受けているフリーターは全体の9.3%、健康保険・厚生年金の適用を受けているフリーターは8.8%にすぎない。9割以上はいずれの適用も受けていない(ワークス2001)。
次に、日本経済への影響である。フリーターの問題を放置すれば、日本経済の活力が失われてしまう、あるいは、仕事や技術が次の世代へ受け継がれない、といった点が心配される。
最後に、短期アルバイトを繰り返すという働き方は、若年者のキャリア形成上問題である。労働政策研究・研修機構の調査によると、フリーターは、「モラトリアム型」、「夢追求型」、「やむを得ず型」の3つに大きく分類できる(労働政策研究・研修機構2000)。同調査では、フリーターの中で最も多いのはモラトリアム型の1つである「離学モラトリアム型」であり、次いで夢追求型の1つである「芸能志向型」、そして、やむを得ず型に該当する「正規雇用志向型」および「期間限定型」と続いていることが明らかになっている。多くの者が将来のキャリア形成を意識し、探り、方向をとらえようとしているが、「夢」が夢のままとどまっている者、モラトリアム状況を続ける者、消極的に現状を肯定している者など、キャリア形成という面では停止状況にある者が少なくない。また、フリーターの就業職種は限定されており、フリーターとしての就業経験が基本的なソーシャル・スキルの形成以外の職業能力形成に結びついている場合は少なく、フリーター就業が長期に及べばキャリア形成の貴重な時期を逸するおそれがある(労働政策研究・研修機構2000)。これは、日本がこれまで職業教育をオン・ザ・ジョブ・トレーニングに頼り、公的な職業教育に力を入れていなかったために、正社員として就業しない限り、キャリアとして認められないという風土ができあがってしまったことにも原因がある。
だが、フリーターという働き方に問題があるのは確かだとしても、企業がフリーターの労働力に頼っているのもまた事実である。フリーターという働き方を好む労働者と、安価で柔軟な労働力を求める企業とで、需要と供給がマッチしている以上、フリーターの存在意義を否定することはできない。しかし、企業はフリーターという労働力を使用者として活用する以上、フリーターの処遇に一定の責任を持たなければならないだろう。 |
| (2006年10月20日再掲載) |
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