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 Works University
―労働政策講義― Works Institute
リクルートワークス研究所
第2回講義
労働組合
1 イントロダクション
2 労働組合の歴史
3 労働組合の種類と日本の労働組合の特徴
4 労働組合の役割と変化
資料編
参考資料
1 イントロダクション

 日本の労働組合組織率が低下するなかで、労働組合の役割は変化しつつある。組織率の低下に比例して、労働者の組合に対する認識も低くなりつつあり、労働組合の存続が危ぶまれているが、このような現状は、当の労働組合がもっとも危惧しているところだろう。特に若い人たちにとって、労働組合は馴染みのない団体であり、労働組合がいったいどのような活動をしているのか、あるいは、どのような役割を果たしているのか、といったことを知らない人も少なくはない。入社した企業内に組合がない場合はことさらにそうであるが、組織率が20%を切るようでは、労働組合のことを知らなくても不思議ではない(2004年の組織率は18.7%。厚生労働省2006)。
 そもそも労働組合とは、労働者が使用者(会社)との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させるために存在する(労働組合法第1条第1項)。平たくいえば、会社と1対1で労働条件等を交渉するのは難しいので、労働者が団結して会社と交渉しようというシステムである。
 しかし、ストライキが頻繁に行われた1970年代においては、労働組合は会社と対立する立場で労働条件を交渉するという戦法がとられたが、最近の労働組合と会社の関係は、一般的に労使協調的であり、ストライキの数も激減している。
 組織率が低下し、ストライキの数も減少し、現在の労働組合は、労働組合法が想定する労働組合とはかけ離れたものとなっている。それは、労働組合法が制定された当初には予測できなかった雇用形態の多様化や長期雇用制の崩壊が要因であるといわれている。では、日本の労働組合や労働組合法は具体的にどのような課題をつきつけられているのだろうか。
 まず、日本の労働組合が組合員数を増やすためには、非典型労働者を組織化することが不可欠だろう。これについては、ナショナルセンターである連合が、パートタイム労働者や派遣労働者の組織化を図っているが、組織率が上昇するまでには至っていない。より一層の組織化促進が検討されるべきだろう。
 次に、排他的交渉代表制の導入である。たとえば、アメリカでは一定の交渉単位で過半数の労働者の支持を得た労働組合のみが交渉単位の労働者のための排他的交渉権を取得するという排他的交渉代表制がとられているが、日本でもこのような制度を導入する必要があるのではないだろうか。現在のように、使用者がすべての労働組合と同等に交渉しなければならないという制度はある意味、不公平である。同一企業に存在する組合員2人の労働組合と組合員1,000人の労働組合では、会社の対応が異なることがあってもいいのではないかと思われる。もちろん、このような制度は現行労働組合法と矛盾するものであり、活発な議論と精緻な検討が不可欠である。
 そのほかにも、ユニオンショップ制度の問題、チェックオフ制度の問題、年功賃金に代わる成果賃金への対応、監視機能の強化など、日本の労働組合をめぐる課題は少なくない。2004年11月に労働組合法が改正され、2005年1月1日から施行されているが、改正内容は不当労働行為事件の審査の迅速化および的確化を図るために、労働委員会における審査手続きおよび体制を整備するものにとどまっている。今世紀末まで日本の労働組合が存続していくためには、より抜本的な改革が必要だろう。

労働組合法(抜粋)
 第 1条
1 この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする。
 第 3条
この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者をいう。

(2006年10月20日再掲載)
1 イントロダクション
2 労働組合の歴史
3 労働組合の種類と日本の労働組合の特徴
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