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 Works University
―労働政策講義― Works Institute
リクルートワークス研究所
第13回講義
労働保険
1 イントロダクション
2 日本における雇用保険制度の内容と特徴
3 欧米諸国における雇用保険制度と日本型雇用保険の将来像
4 日本における労災保険の内容と課題
資料編
参考資料
1 イントロダクション

 雇用保険は、労働者が失業した場合や雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、再就職を促進するために必要な給付を行う一方で、失業の予防、雇用構造の改善等を図るための事業を行っている。雇用保険の役割は、いうまでもなく労働者のセーフティネットである。
 しかし、バブル経済崩壊による失業率の悪化により失業手当の受給者が厚生労働省の見込みよりも大幅に増加し1994年度から赤字が続く状況に陥ったため、一時は約4兆7,000億円あった雇用保険の積立金が2002年度末には1,000億円程度にまで減り、セーフティネットとしての機能が果たせなくなるのではないかと危惧された。その後、幸いにも景気が回復し運用益が増えたことで、2006年度には積立金も2兆5,000億円にまで増加した。加えて、失業率の低下による失業給付予算の減少で、一般会計からの繰り入れがあり、雇用保険の資金は危機的状況から一転、潤沢になっている。
 日本の雇用保険制度には抜本的な見直しが必要であるという意見が多い。その理由の1つは、雇用保険三事業における保険料財源の「無駄遣い」だ。雇用保険三事業の目的は失業の予防、失業者の早期再就職の促進、労働者の能力開発および向上等を図るものとされている。失業の発生を防ぐために企業に対して助成金や補助金を支給しているが、これらの効果は必ずしも明らかでない。また、雇用福祉事業として進められてきた勤労者福祉施設については、2000年度までに約4,500億円をかけて計2,070施設が整備されたが、多くの施設が赤字経営のすえ二束三文で地方自治体などに売却されている。
 各方面からの批判をうけて厚生労働省もようやく重い腰をあげ、2006年7月28日、雇用福祉事業の原則廃止をはじめとする雇用保険三事業の再編案をまとめ、労働政策審議会雇用保険部会(以下、雇用保険部会)に示した。再編により、2006年度予算約4,200億円の約2割に当たる年750億から800億円の削減が見込まれる。三事業の事業費は事業主の保険料が全額負担しており、この分の負担が軽減されることになる。この結果、保険料率は現行の賃金総額の0.35%から0.3%に引き下げられる。また、雇用・能力開発機構の運営費交付金も大幅に圧縮される(以上、雇用保険部会HP2006)。
 もっとも、雇用保険が労働者のセーフティネットとして担保されるためには、より踏み込んだ見直しが不可欠だ。パート労働者や派遣労働者をはじめとする非典型労働者の適用をどう取り扱うのかといった点についても議論を進めていく必要がある。また、積立金の枯渇が懸念されるような財政運営の在り方も問題だろう。その場しのぎの対策ではない、長期的な視野に立った改革が待ち望まれる。
失業等給付関係収支状況
(単位:億円)
(クリックで拡大)
三事業関係収支状況
(単位:億円、%)
(クリックで拡大)
(出所 雇用保険部会中間報告2006)
(2006年10月20日再掲載)
1 イントロダクション
2 日本における雇用保険制度の内容と特徴
3 欧米諸国における雇用保険制度と日本型雇用保険の将来像
4 日本における労災保険の内容と課題
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