Column

e-Staffing

e-スタッフィング
専門職などのショートリストを厳選作成

e-スタッフィング代表的なサービス
e-Staffing
代表的なサービス

e-スタッフィングはマッチングシステムと同じように、企業に候補者のショートリストを提示するとともに、求職者に関連性の高い仕事のショートリストを提案することを目的とする。e-スタッフィングの多くは、ITやスタートアップなど、特定の分野に特化している。

※e-スタッフィングでは、“curated list(厳選されたリスト)”という用語を使用することが多い。これは登録審査を通過し、かつ求人とのマッチング度の高い候補者のみを厳選し、企業に提案していることを強調している。通過率が5%程度のe-スタッフィングもある。

人事との関連性
e-スタッフィングは、特にITのような専門特化した分野のショートリストの作成に役に立つ。オンライン上の人材紹介会社のようなもので、採用後に一定の保証期間を設けていることが多い。リクルーターは仕事の時間短縮となり、場合によっては、より良い候補者のリストアップができる。

サービス例

  1. Zartis:欧州、カナダのITエンジニア職に特化
    IT分野の正社員とフリーランサーを対象とする。基本サービスは、Zartisが選出したショートリストを毎週月曜日に企業に提出する(料金は4,000ユーロ/月)。また、企業は別料金で自社に合うZartisのリクルーターを選び、専任担当にできる。求職者は、適切な求人があれば、プラットフォームを介して募集企業とコンタクトできる。採用に至ると、企業は年収の10%をZartisに支払う。新規採用者の保証期間は30日間。
  2. Underdog.io: スタートアップ企業とリモートワークに特化
    基本サービスは、毎週月曜日の午前中に候補者のランク付けをしたショートリストを企業に提出する。候補者はグーグルやヤフー、フェイスブック、アップルなどのテクノロジー企業出身者に厳選している。企業も同サービス登録の際に審査があり、実際に承認されるのは5割程度である。
  3. Laterally:経験年数2~6年程度の弁護士に特化
    Laterallyの審査を通過し、かつ登録企業のニーズに合う求職者(弁護士)のみがアクセスおよび応募することができる。採用が決まるとLaterallyが5,000ドルのサイニングボーナスを候補者に支払う。また、候補者が紹介した友人が採用に至れば2,000ドルの紹介料(リファラルボーナス)を支払う。企業が希望すれば、担当コンサルタントが求人条件に合う候補者リストを定期配信する。

ビジネスモデル(課金形態)

  1. 企業が求職者のショートリスト作成料金をサービス事業者に支払う
    企業は候補者の募集とショートリスト化に対する料金をサービス事業者に支払う。ジョブボードと異なる点は、e-スタッフィングでは応募者の質と候補者のショートリストの提示までを保証すること。e-スタッフィングのビジネスモデル
  2. 企業は採用が決まるごとに料金をサービス事業者に支払う
    企業はショートリストから採用が決まった場合のみ、成功報酬をサービス事業者に支払うケースもある(年収の10~15%など)。e-スタッフィングのビジネスモデル

今後の展望
良質なショートリストを作成するサービスは、リクルーターに高く評価されている。今後は、求人内容と関連性が低い応募者を効果的にふるい落し、有力候補者のみを厳選できるか、質の高さが問われる。テクノロジーの進化に伴い、e-スタッフィングはよりマッチングシステムに近づき、ショートリストの作成はテクノロジー頼みになるだろう。

グローバルセンター
村田弘美(センター長)
鴨志田ひかり(客員研究員)
石川ルチア

HRテクノロジーマップ
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00_ttl_esmjpcircle1200出所:TTL “Talent Acquisition Technology Ecosystem”を基に再分類し筆者作成(2016.10)

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