HR Technology TrendsソーシャルCV&レジュメ・ビルダー

効果的な履歴書作りをサポート

Social CV and Resume Builder
代表的なサービス

就職活動や転職に欠かせないレジュメ(履歴書)。レジュメを作成したことが殆どない、または自分のスキルや経験をどのように文章でアピールすればよいか分からない求職者にとっても、非常に便利なサービスが増えている。たとえば、必要事項を入力するだけでレジュメが作成できるアプリや、Twitter、Facebook、Google+などのSNSと連動して、名前を検索するとレジュメが表示されるアプリなどがある。
最近では、動画のニーズも増えており、不慣れな人でも簡単に作成できる。求職者にとってレジュメや動画の作成は身近なテクノロジーであり、初心者からプロフェッショナルまで、自分に合った活用ができるため利用者も多い。

人事との関連性

人事はレジュメを見ないとも言われる中で、求職者は自分のレジュメがいかに人事の目に留まるか考えている。さまざまな工夫を凝らしたもの、型破りなものも散見される。人事は膨大なレジュメの中から、自社の求める人物像に合ったものを効率的に探し出すサービスを活用している。最近はSNSとの連動で、より深い求職者の情報も入手できる。
近年、リクルーターは直接会って面接する件数を削減しており、動画を利用した簡易面接にも興味を示している。そのためレジュメや動画の精度の向上は、求職者を選択する側にも役立っている。
一方、解雇の対象者や契約が満了前の契約社員などに、これらのサービスを提供できる。

サービス例

  1. VisualCV:テンプレートの提供
    既存のレジュメのテンプレートは15種類。求職者にどのような情報をレジュメに書くべきかをガイドし、魅力的なフォーマットなどのテンプレートを提供する。また、実際に作成された8,000種類以上のレジュメのサンプルも参考にできる。

  2. JOBMA:自己アピール用動画の作成
    動画面接用に30秒程度の求職者のアピール動画を作成する。求職者は自分のプロフィルや経歴データに動画を添付できる。応募の際に紙のレジュメでは伝え切れないセールス・ポイントを短時間でアピールでき、企業は簡易な面接手段として代用できる。

  3. RezScore:レジュメの改善方法をコーチング
    レジュメをアップロードすると、アルゴリズムがレジュメの完成度をスコアで表し、改善方法を提案する。文法やスペルミスなどを直す有料のオプションサービスもある。

ビジネスモデル(課金形態)

  1. 求職者がサービス料をサービス事業者に支払う(個人課金)
    無料の基本サービスと有料のオプションサービスがある。
  2. 企業や組織がサービスを購入し、求職者に無料提供する
    ジョブボード、人材紹介会社、協会などがサービスを購入し、求職者に無料で提供する。

    今後の展望

    ソーシャルCV&レジュメ・ビルダーの市場は成熟しており、求職者が求めるサービスを提供している。しかし、人事がレジュメから採用後に発揮する能力を予測するのは難しく、将来は、マッチングシステム(Matching Systems)サイコメトリックアセスメント(Psychometric Assessments)などのテクノロジーがレジュメよりも優位になる可能性がある。今後しばらくは、レジュメ作成サービスや自己アピール用の動画作成を提供するサービスは、「安定したニッチ」として継続するだろう。

    グローバルセンター
    村田弘美(センター長)
    鴨志田ひかり(客員研究員)

    HRテクノロジーマップ

    ※クリックすると拡大出所:TTL "Talent Acquisition Technology Ecosystem"を基に再分類し筆者作成(2016.10)

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    2017年05月19日(一部改訂)