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リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」を用い、仕事と家庭生活の両立にストレスを感じていた人の割合を算出すると、2017年は30.7%と、2016年から0.1%ptとわずかに増加した(図1)。男女別では、女性の方が男性よりも両立ストレスを感じていることがわかる。働く女性は、男性よりも家庭生活において担う役割が多く、仕事と家庭生活の両立にストレスを感じやすいからだろう。しかし、直近3年間の推移をみると、女性はほぼ変化していないのに対し、男性は両立ストレスを感じている人が増えている。

年代別にみると、20代から30代にかけて両立ストレスを感じている割合が高い(図2)。結婚し、子どもができると、男女問わず家庭生活における役割が増え、両立にストレスを感じやすくなると考えられる。30代以降、両立ストレスは徐々に減少していき、60代以上になると、30代の約3分の1まで減少する。子どもの独立や、短時間の仕事へのシフトなど、仕事にも家庭生活にも余裕がでてくるからだろう。

子育て期の男女に着目し、末子年齢別に仕事と家庭生活の両立にストレスを感じている割合と平均週当たり労働時間をみると、男女ともに、幼い子どもがいる方が両立にストレスを感じている(図3)。しかし、平均週当たり労働時間に違いはなく、男性では46時間と比較的長めである。男性の両立ストレスが増加している背景の一つとして、職場では育児を理由とした就業調整が簡単にできない一方で、家庭では積極的な育児従事を求められるということがあるかもしれない。子育て期の男女が生き生きと働き続けるためには、男女ともに働き方の見直しが必要だろう。長時間労働の是正に加え、企業による男性の育児休暇取得推進などにも期待したい。

 

図1 仕事と家庭生活の両立にストレスを感じている割合の推移

出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2016~2018」
注:仕事と家庭生活の両立にストレスを感じている割合は、「あなたは、昨年1年間、仕事と家庭生活の両立についてストレスを感じましたか」の設問に対し、「強く感じていた」「感じていた」と答えた人の割合である。x16~x18を用いたウエイト集計を行っている。

 

図2 男女年代別の仕事と家庭生活の両立にストレスを感じている割合(2017年)

出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2018」
注:x18を用いたウエイト集計を行っている。

 

図3 末子18歳未満の子どもをもつ男女別の両立ストレスありの割合と平均週当たり労働時間(2017年)

出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2018」
注:x18を用いたウエイト集計を行っている。

文責:孫亜文(アナリスト)
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2019年04月26日