対談タイトル
未来予測ロゴ   長期雇用が前提なら新卒一括採用は最適な制度
     
大久保  

海外売上げ80%以上でも、日本ルールの新卒一括採用は継続するのでしょうか。

 

日置  

長期雇用が前提ならば継続するでしょう。

 

大久保  

長期雇用と新卒一括採用は切り離せないものだと?

 

日置  

ええ。事業分野が特殊なこともあり、弊社の離職率は0.7~0.8%です。定年後の再雇用も9割。私は勤続36年になりますが同期が7割残っています。会社を辞めないという前提でキャリアを考えるなら、新卒からのほうがキャリア計画を立てやすいわけです。

 

     
未来予測ロゴ   地域分権型のグローバル化だからこそ、ウエイ共有を重視
     
大久保  

「コマツウエイ」という形で全世界に行動指針を示しています。地域分権型のグローバル化でも考え方の共有は最低限必要ですか。

 

日置  

はい。「コマツウエイ」はビジョンでも哲学でも理念でもなく、価値観、心構え、行動基準です。神の声ではなく、自分の日常行動の拠り所となるものです。たとえば「コマツウエイトップマネジメント編」に「取締役会を活性化すること」と書かれていますが、具体的な行動はその国の人が考えればよいのです。国内より海外のほうが「コマツウエイ」が受け入れられることを見ても、海外拠点ほど会社のベースの部分を共有したいと感じており、またそれを我々が怠ってきたことがわかります。

 

大久保  

行動基準であれば、海外の現場で足されたり進化したりしてもかまわないわけですね。

 

日置  

その通りです。2回目のコマツウエイがまもなく発表されますが、海外拠点の意見が反映された部分もあります。こうしたことで単なるジャパニーズウエイではないことが伝われば、理想的ですね。

 

     
未来予測ロゴ   人事は、自主的なキャリア探しをサポートする立場に
     
大久保  

人材育成についてはどうお考えですか。

 

日置  

先ほども申し上げたように、組織の縦の関係のなかで育っていくのが弊社の人材育成です。私も入社したときから人事のプロになれと言われていたわけではありません。縦の関係のなかで育てられながら結果的に人事屋になったわけです。

 

大久保  

大学などの外部機関を利用した教育より、ベテランによる世代継承的な教育を重視するということですね。

 

日置  

今は会社が多彩な育成施策を用意して育てていくのが主流ですが、本人が自分でキャリアを磨こうとする意識を軽んじている気がします。人事の仕事は、育てることではなく、本人が育つのをサポートすることではないでしょうか。

 

大久保  

では本人は、どうやってキャリアを磨いていくのですか。

 

日置  

縦の関係のなかで育てば、学びたいことは十分見つかるし、組織のなかで十分身につけていけると思っています。身近にいくらでもプロがいるのですから。各事業部門も管理部門も人を育てるDNAを持っています。仕事をしながら非常によく若い人たちを指導しています。教育に関しては現場を信じて任せるべきでしょう。そうなると人事の出番は、新入社員研修と何年後かの集合研修、部門内ローテーション、あとは部門を超えたプロジェクトで他部門を疑似体験する機会を提供することくらい。人事がどんどん小さくなっていくかもしれませんが、それでいいんです。これからの人事の役割は、社員のほうから、自分のキャリアを高めるためにどんなことをしたらいいですかと聞いてくるような場所にしていきたいと思っています。

(TEXT/荻原 美佳 PHOTO/刑部 友康)

 

     
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