対談タイトル
未来予測ロゴ   中国現法社員を本社留学させ、グローバル人財に
     
大久保  

今、新たに力を入れている人事施策は、どのようなことですか。

 

河合  

女性の活性化と外国人の活性化です。目標10兆円の内訳は国内3兆円、海外7兆円。外国人の戦力化は特に大きな鍵になります。そこで2012年4月から、中国・大連の事務処理アウトソーシング会社の中国人社員を、日本本社に留学させる制度をスタートさせました。1年間日本で仕事をし、研修終了後は前の会社に戻るか、ほかのグローバルな事業に挑戦するか選択してもらいます。現地採用社員は、高学歴なうえに能力も高い。同じ仕事を続けさせるだけでは、いずれ転職してしまいます。大和ハウス工業のDNAをしっかり身につけ、今後さらに広がっていくグローバル事業でマネジャーとして活躍する道があったほうが、本人にとっても会社にとってもいい。

 

大久保  

中国人は、日本人以上にキャリアアップに意欲的です。ただ、留学制度には課題も多い。日本で経験させる仕事、帰国後与える仕事のレベルが不適切だと、かえってモチベーションが下がってしまう。また、日本で技術やノウハウを学んだことで他社に引き抜かれやすくもなります。

 

河合  

他社に高待遇を示されると転職しがちですね。

 

大久保  

中国人の転職実態について、インタビューを行ったことがあります。彼らは共通してこう言うのです。この会社でキャリアを積めるか不安だから、より自分を認めてくれる会社に行くのだと。つまり求めているのは安定なのです。実際、若くして入社した中国人が管理職や経営幹部になった実績ができた会社は、離職率が安定する傾向があります。

 

河合  

当社も1期生が、10年たって4人残っていますが、そういう人たちを大事にしたい。だから、どんなに優秀な若手でも、あえて勤続5年以上を日本留学の条件にしています。そして留学終了後の希望キャリアを必ず聞く。前の部署のまま高い役職に就きたい、上海に出てより大きな仕事をしたい、中国全体をステージに活躍したい、あるいは日本で働きたいといった希望を受け止め、本人にとってよりよい待遇を用意しないといけないと思っています。

 

大久保  

現地法人で雇用した中国人と、日本法人の社員として雇用した中国人、この共存も非常に難しいとよく聞きます。能力差が相当ないと、妬み、嫉み、反発でつぶされてしまう。

 

河合  

日本語が上手な人は我々の目にはよく映る。でも、現地社員に話を聞くと全然違うことがある。中国人同士には葛藤があるはずです。そうした点も配慮が必要でしょう。

 

     
未来予測ロゴ   女性管理職候者補研修は、直属上司の同席が鍵
     

大久保

 

 

女性の活性化については、どのような対応をされていますか。

 

河合  

これも、創業50周年のときに見直しをしました。女性役員どころか女性管理職が8人しかいなかったからです。

 

大久保  

建設業はもともと女性が少なく、管理職候補をつくることからして難しい。

 

河合  

そうなのです。女性社員は全社員の13%しかいませんでした。そこで、まずは女性が活躍できる場をつくって女性社員を増やし、管理職候補である主任層を増やしていこうということになりました。それから5年たちましたが、管理職候補は120人から320人に増え、管理職も30人まで増やすことができました。この間、女性社員向けの教育もかなり力を注いでやっています。

 

大久保  

どのような工夫をされたのですか。

 

河合  

弊社の場合、上司たる男性側の理解が足りないのもネックでした。そこで、女性管理職候補者の研修は、必ず、直属上司同席にしたのです。これによって、かなり変化が出てきました。本社の全体研修でどれだけ学んだとしても、事業所に戻ると上司が理解を示してくれない、という状況では、やはり女性の活性化は進みません。

 

大久保  

住宅には本来、女性の視点が欠かせませんよね。

 

河合  

家を建てるときの決定権は奥様である場合が多いですからね。特に、今はマーケットインの時代なので女性視点からの商品づくりが大切です。現状は設計部門への配属がいちばん多いですが、今後さらに活躍の場を広げていく必要があると思っています。

(TEXT/荻原 美佳 PHOTO/刑部 友康)

     
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