対談タイトル
未来予測ロゴ   有期雇用の法制化で、正社員のコースが多様化
     
大久保  

若い人からシニアまで多様な人材を生かそうとすると、働き方の多様性は欠かせません。その1つの有期雇用が、5年以下に法制化される動きがありますね。累計雇用が5年を超えた契約社員は正社員契約を結ばなければならない。

 

高久  

弊社の売場要員構成は、たとえば100人のうち80人が取引先からの派遣で有期雇用は10人強、正社員は8〜9人です。正社員つまり無期雇用は今、総合職のみですが、たとえば販売に特化した職種、地域限定の総合職など、正社員のコースを増やすことがそうした人たちの受け皿になるかもしれません。今後は介護などで転勤が困難な総合職も増えるでしょう。結局、有期雇用の法制化は、無期雇用のあり方を見直すことにつながると思います。

 

大久保  

有期雇用は正社員をサポートするシステム。メインシステムである正社員を議論しないと意味がないのです。コースの多様化は、御社が積極的に取り組んでいるワークライフバランスにも通じる問題ですね。

 

高久  

そうですね。弊社は生活密着産業ですから、ワークライフバランスは積極的に進めていくべきだと思っています。社員が仕事と生活を両立させていきいきと働いていないと、売り場の雰囲気に響きます。お客さまはそれを敏感に感じとるものです。

 

     
未来予測ロゴ   国内店舗も外国人を含むダイバーシティ環境に
     

大久保

 

 

海外マーケットへの進出も盛んですが、外国人スタッフのマネジメントも大事なテーマですね。

 

高久  

主ターゲットである中産階級が急増中の地域ということで、新興国とASEAN各国中心に展開しています。2012年秋には上海店がオープン、2015年開業予定のベトナムでのプロジェクトも進行中です。進出済みのシンガポール店と台北店も好調で、特にシンガポール店は髙島屋グループの稼ぎ頭になっています。

 

大久保  

得意とするビジネスモデルをそのまま転用できる市場ということですね。人材はどう調達するのですか。

 

高久  

もともとが内需型産業で海外事業戦略や現地交渉に長けた人材は限られていますが、既卒採用などをしつつ進めています。一方、現地採用の販売スタッフの教育はやはり重要です。髙島屋のミッションやバリューをきちんと理解して働いてもらわなければなりません。この秋開業の上海店については、販売スタッフを日本に呼び、日本の教育プログラムで研修を受けてもらう予定です。

 

大久保  

中国人販売スタッフを、日本で指導する。国内にも相当ダイバーシティ環境が生まれますね。

 

高久  

ええ。国内の店舗にしても、この先の労働人口の減少を考えると、外国人労働力は視野に入れざるを得ません。さまざまな国籍、民族、宗教を受容するダイバーシティマネジメントに、国内の売り場も馴染んでおく必要があるでしょう。

 

大久保  

小売業・サービス業にも相当の外国人労働力が入ってきています。百貨店もそう遠くない将来に受け入れることになりそうですか。

 

高久  

そうなるでしょう。2012年度入社の新卒も、約10人の中国人を採用しました。

 

大久保  

上海店要員としてではないのですね。

 

高久  

上海店要員は、地域・職務に詳しいなどスペシャリスト的な既卒採用で対応しています。一方新卒はダイバーシティを主眼に置いています。日本の大学に来ている留学生を採用しました。

 

大久保  

売り場には既に直接雇用関係のないスタッフが8割。さらに外国人も加わる。さまざまな年齢、雇用形態、そしていよいよ国籍にまで及ぶダイバーシティ環境でどうクオリティを上げるか。これは今後の日本の大きなテーマです。

 

高久  

髙島屋は2011年に創業180周年を迎えました。ここまでの長寿企業になれたのは、進取の精神を持ち続けたから。革新には下から上への活発なコミュニケーション、新しいことにトライする風土が欠かせませんが、今弊社はそうした力が少し弱っている気がします。ダイバーシティを刺激に組織風土を改革していくことも、今後のテーマになると認識しています。

(TEXT/荻原 美佳 PHOTO/刑部 友康)

     
対談一覧   BACK
■ 下記ご感想をお聞かせ下さい >>>こちら  ※ご感想は後日、サイトまたは冊子で匿名にて掲載させていただくことがございます。
1. この対談について
2. 日本企業全般の人と組織におけるこれから10年の変化について
↑page top