対談タイトル
未来予測ロゴ   異質な人材をはじかず育て、社内に多様なチームを
     
志岐  

3つ目の課題がダイバーシティです。新たな発想やイノベーションを起こしていくためにも、多様性の推進には力を入れていきたいと思っています。

 

大久保  

私は、イノベーションが起きるには、多様性と同時に同質性も不可欠だと思っています。人材が多様化すれば、組織への求心力は弱まる。そこをつなぐ企業カルチャー的な共感性が逆に必要になります。御社はLCCのエアアジアと共同で2011年にLCC(エアアジア・ジャパン)を設立しましたが、企業カルチャーは相当異なるのではないでしょうか。

 

志岐  

まったく違いますね。まずトライしてみて失敗しそうになったらさっと方向転換して別の方法を探るあのチャレンジ精神、スピード感。逆に我々がいかに大企業病化しているかに気づかされ、いい刺激になっています。そこで我々もカルチャーを見直そうという話になり、「グループカルチャー推進準備室」を立ち上げました。そこにはあえて、型破りな社員ばかりを集めています。どんな方向に進み出すかわからないようなメンバーでマネジメントは大変ですが、面白いことをやってくれそうな期待感があります。そうした異質な人材をはじかずに育てていくことはとても大切だと思っています。

 

大久保  

大企業病というのは、現場重視・経験重視の野武士的な人材を、ルール重視・理論重視の官僚的な人材が封じ込めていくプロセスだといわれています。これを避けるには、官僚的な人材ばかりを出世させず、野武士的勢力とのバランスを取ればいい。

 

志岐  

なるほど。弊社でも何かで選抜リストをつくると、大体決まったタイプになります。別タイプを意図的に組み込んで多様な人材でチームがつくれるようになれば、会社として強くなっていけると思います。

 

     
未来予測ロゴ   優秀な学生をたくさん採るより、さまざまなタイプを
     
志岐  

新卒採用も、優秀な学生をたくさん採るより、さまざまなタイプを集めたほうがいいと思っています。何をもって優秀と言うかは、本当のところ誰にもわかりません。むしろ、私が会う5次面談の前に、型破りな人材はほとんど落とされているのではないかと心配しています。あるいは型破りな人材は、ANAよりもグループ会社に集まっているのかもしれないので、グループ内で人材を流動させるのは、そういう意味でもよいと思っています。

 

大久保

 

 

面接担当者が選ぶ人材は、多くの場合、面接担当者自身の投影であると、私は思っています。つまり面接とは面接する集団グループの再生産機能なのです。ですから型破りな人間を採りたければ、面接担当者を型破りな人物にしなければならない。いくら面白い人間を採れと言われても自分が評価できない人間を採るのは難しいものです。

 

志岐  

なるほど。

 

大久保  

面接やエントリーシートによる採用はその点で限界がある。今後は採用選考プロセスも多様化していくと思います。そもそも職務歴のない人を、学生時代頑張った事柄や、困難にぶつかったときの乗り越え方から推測して判断するのは危険なはず。海外ではインターンシップで実際に働くのを見て採るのが一般的で、学校成績のウエイトも面接より高い。欧米系の企業などは成績をエントリーの足切りに使っているくらいです。

 

志岐  

でも、成績は相当悪くても面白い人間はいますよ。

 

大久保

 

 

ですから、全員同じパターンで採用しないほうがいいのです。選考方法自体が多様化すれば人材の多様性も担保できる。ダイバーシティを進めるということは、結局、選考方法の多様化につながっていくのです。

 

志岐  

私も、面接をするとき、多様なタイプに分散するよう配慮しています。学生時代によく勉強した人も、運動ばかりやっていた人も必要です。面白い素養を持った人をどんどん採っていけばいいと思います。

(TEXT/荻原 美佳 PHOTO/刑部 友康)

 

     
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