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未来予測ロゴ   外国人採用と新人の海外配属を推進
     
大久保  

グローバル化や格安航空会社(LCC)の台頭などにより航空業界の競争が激化しています。アジアナンバーワン戦略を掲げる御社にとっての人事重点課題は、どのようなことでしょうか。

 

志岐  

第1の課題は人材のグローバル化です。客室乗務員についてはイギリスや上海の客室の拠点では既に全員外国人ですが、パイロットや整備士にはまだいません。事務系総合職も、新卒採用約30人のうち外国人は例年1〜2人でした。今後は事務系総合職で2割程度にしていこうということで、2012年度は31人中9人の外国人を採用しました。

 

大久保  

31人中9人はかなり多いですね。皆、日本に来ている留学生ですか。

 

志岐  

はい。残念ながら海外の大学からの応募はあまりありません。出身地域もアジア中心で、中国人3人、韓国人4人、台湾人1人とロシア人1人です。

 

大久保  

9人にも上ると、入社後の活用の仕方も変わりますか。

 

志岐  

我々の業界は現場が基本ですから、日本人社員と同じようにお客さまのフロントラインに立つことから始めてもらうつもりです。ただ新入社員研修や、「同期のありよう」については多少気を使っています。

 

大久保  

同期のありようとは、どういうことですか?

 

志岐  

同期入社というのは、職種を超えた社員同士のつながりを生みます。弊社は新卒採用を中心としてきたこともあり、同期のつながりを大事にしてきました。もともと人材のタイプは幅広く採用してきましたが、国柄や文化基盤まで違うとなると彼らがどこまで打ち解けられるのか、未知な部分はありますね。

 

大久保  

社員の年次管理は、日本以外ではあまり行われていません。人材がグローバル化しても、御社では従来通り年次管理を重視していくということですね。そのほかにはどのようなグローバル施策がありますか。

 

志岐  

2011年4月に日本人の新入社員をいきなり海外配属したのも新しい試みです。シンガポールの市内支店と空港に男女1人ずつ送りました。実は、採用試験において英語の成績が良くなかった2人です。

 

大久保  

新人をいきなりですか。

 

志岐  

はい。最初は苦労したようですが、半年後に会ったら元気にやっていました。何事もやってみれば何とかなるものです(笑)。

 

     
未来予測ロゴ   グループ会社から本体管理職へのキャリアパスを設置
     
志岐  

2つ目の課題がグループ体制です。航空の仕事は、いろいろな職種が一緒になって1つのオペレーション(飛行機の運航)を行います。グループ会社により労働条件や人事制度が異なる状況において、全体としていかにうまく仕事を進めていくかは大事なテーマです。そこで、ANA本体のグループ業務関連管理職に、グループ会社からも上がってこられるキャリアパスを設けました。登用者はまだ1人ですが、そうした実績を増やすために、その下の部長研修、新任部長研修、新任管理職研修などもグループ会社とANA合同でやり始めています。若い年次でのグループ会社とのキャリア接続も、今後10年以内のテーマになるでしょう。

 

大久保  

グループ体制は、今後多くの企業で課題になるでしょう。最近は持ち株会社化、グローバル化やM&Aなどで、グループ会社の関係も多様化しています。人事制度や処遇も異なるグループ内でどう求心力を保つかは、難しいテーマです。

 

志岐  

各社のコスト競争力の問題があるので人事制度や処遇を合わせるのは難しいですが、キャリアパスでグループをつなげられないかと、今試しているところです。

 

大久保  

制度の違いや待遇の差は、社員のグループ間異動を容易にすることでヘッジしていくということですね。

 

志岐  

グループ会社のキャリアパスにしても、専門分野でエキスパートになるだけでなく、グループを横断的に動いていく道があってしかるべき。それに足る能力を持つ人も大勢います。そうなれば、ANAへの入社はグループ会社からのみということになってもいいのかもしれません。

 

     
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