対談タイトル
未来予測ロゴ   専門家と経営者は対立概念ではない
     
和田  

旭化成グループの社員数は現在約2万5000人で、内訳は「外国で働く外国人」が3000人、「日本で働く外国人」が100人、「外国で働く日本人」が160人で、その他圧倒的多数の2万2000人あまりが「日本で働く日本人」です。「外国で働く外国人」の場合、そのなかから管理職を育てて、将来的には現地のトップを担ってもらうわけですが、そのための処遇制度、育成制度も整備していきます。「外国で働く日本人」は200人くらいまで増えたら、あとは横ばいでしょう。現地の人が育ってくれれば必要ないわけです。

 

大久保  

わざわざ日本から人を送る必要はないと。

 

和田  

はい。実はいちばん大きな問題が「日本で働く日本人」のグローバル化なのです。よく現地の日本人駐在員がこぼすのですが、現地社員が日本の物流部門に電話をかけても英語が理解できない。結局は日本人駐在員が日本語でもう一度、電話をかけなければならないので、仕事が増えて困る、というのです。

 

大久保  

それはその通りですね。「日本で働く外国人」はどうでしょうか。

 

和田  

それまでは一桁の数でしたが、2012年から10人、外国人を新卒で採用しました。2013年は15人採用するのが目標です。この層を増やすことで「日本で働く日本人」のグローバル化が促進されればと思っています。

 

大久保  

経営人材の育成についてはどうでしょう。その場合の経営とは事業会社の経営でしょうか。

 

和田  

いやむしろ、持ち株会社のトップのほうです。この場合も、異動によって多様な経験をいかに積ませるかが大切になってきます。

 

大久保

 

 

技術畑の人材を専門家としてずっと育てるのか、ある時点から経営者への道を歩ませるのか、どうやって判断されていますか。

 

和田  

極めて難しい問題で、いつも悩んでいます。しかし、ある専門分野を本当に極めた人財はマネジメントもできる。逆に、マネジメントができないから専門家になったという人はうまくいきません。

 

大久保  

私も同じ考えです。専門性を極めると仕事の裾野が広がるので、チームで仕事をせざるを得なくなり、リーダーには必然的にマネジメント力が必須になるのです。2011年、10数社の人事の方にご協力いただき、20代から50代の年代別に、社員の方それぞれの成長過程を分析する調査を実施しました。そこでわかったのは、長期的に見て、20代でリーダーシップを鍛える経験を積ませてから専門分野を深掘りさせたほうが、逆の場合より、人が育つ、ということがわかりました。専門性ではなく、最初はリーダーシップを鍛えよ、というわけです。

(TEXT/荻野 進介 PHOTO/刑部 友康)

 

     
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