対談タイトル
未来予測ロゴ   知識の再構造化による不連続な成長を
     
岸本  

今の専門以外の経験や知識を得ることが非常に重要です。キーワードは「横串」です。たとえば2年前から、マーケティングと商品開発の人材には、テレビならテレビと固定せず、さまざまなビジネスを経験させています。今後はR&Dとソフトウェア開発部隊にも、ゆくゆくはハードウェアの部隊にも同じような横串マネジメントを行う予定です。もう1つは海外経験の付与です。2013年には20代の日本人社員100人を意図的に海外に送ります。

 

大久保  

我々の研究テーマでジョブ・ローテーションを扱ったことがあります。専門以外の仕事をするわけですから、成果が出るまでに半年程度が必要です。その半年間は利益は期待できず、純粋な人材投資になるわけです。その時、異動者の頭のなかで起こっているのが「知識の再構造化」です。それは、自分のこれまでの知識や経験に新たなものが加わり、まったく別の視界や思考が生まれるということ。そこがうまく行くと、不連続な成長が達成されるのです。その際大切なのが、その人のモチベーションの高め方です。いやいやながら行かせると知識の再構造化は起こりません。いちばんよい方法は自ら希望させることです。ジュニアの人材をグローバルで動かす場合、手を挙げさせるとのことですが、それこそ理想的なやり方だと思います。

 

岸本  

非常に参考になるお話です。

 

大久保  

新卒採用に関してはどうでしょう。2013年度は外国人を全体の3割にされるようですが。

 

岸本  

はい。創業者の井深、盛田も早くから「ソニーは世界企業だ」と公言していましたから、優秀な人なら、国籍に関係なくどんどん採用したいのです。中国で初めて大卒を現地採用したのが2001年で、並行して欧米諸国でも採用を強化しました。インドは3年前からです。最近は日本に来ている留学生の採用にも力を入れています。

 

大久保  

新卒一括採用という日本の仕組みも変わっていかざるを得ませんね。

 

岸本  

そうだと思います。当社は新卒、経験者採用を含め、毎月、入社式をやっているくらいです。ソニーヨーロッパのあったドイツに赴任していた際、ドイツでは単位が取れた時が卒業であるため、学生から一年中、時期に関係なく履歴書が送られてきました。こういう仕組みも合理的だと思いました。日本がそうなるには、まず大学が変わらざるを得ないでしょう。

(TEXT/荻野 進介 PHOTO/平山 諭)

 

     
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