対談タイトル
未来予測ロゴ   管理職の意識改革とスマートフォン活用でテレワーク推進
     
大久保  

御社は、ワークスタイルの改革に先進的に取り組んでいる企業という印象があります。吉澤様ご自身も、今後は労働時間の効率化やテレワークなど、働き方の自由度がより高まるとお考えですか。

 

吉澤  

はい。2011年夏季の節電への取り組みは、さらなる推進へのトリガーになったと思います。18時以降エアコンが止まるからといって仕事のパフォーマンスを落とすわけにはいきませんので、1日の仕事の段取りやほかのメンバーとの仕事の進捗共有を徹底するなど、仕事の見直しに繋がりました。

 

大久保  

週休日を月曜、火曜に変更したそうですが、育児中の社員の保育所問題などはどうクリアしたのですか。

 

吉澤  

そうした社員は例外的に日曜、月曜を週休としました。火曜日はほかの社員が休日なので、在宅勤務です。これで在宅勤務利用率がかなり増え、従来から設けていた週1回のルールもあまり必要ないとわかりました。このあたりはもっと仕組みを改善していけそうです。

 

大久保  

週に何日か在宅勤務しても、職場の混乱は起きなかったということですね。

 

吉澤  

起きませんでした。上司は自分のすぐ近くに置かないとメンバーの管理ができないと思いがちですが、そんな支障は全然ない。仕事を始めるとき、終わるとき、その日の仕事内容など連絡のルールさえ徹底すれば、在宅勤務は十分可能です。

 

大久保  

テレワークがなかなか進まない理由の1つはそうしたマネジメント意識の問題です。ですが、これはダイバシーティ(多様性)への対応とともに自ずと解決していくでしょう。もう1つの理由が情報セキュリティですが、こちらはスマートフォン、タブレットの活用が期待できそうですね。

 

吉澤  

ええ。現在のスマートフォン、タブレットビジネスは、まだ営業活動支援ツールとしてのメニュー提供ですが、法人向けクラウドコンピューティングサービスやシンクライアント化(必要なアプリケーションやデータがすべてサーバ側に保存されている状態)が進展し情報セキュリティ管理が強化されれば、テレワークなど仕事の仕方も含めたメニュー提供も可能になっていくでしょう。

 

     
未来予測ロゴ   女性管理職育成に必要なのはロールモデルの発掘・共有
     
大久保  

働き方の変革により、女性活用も促されると思います。女性管理職についてはいかがですか。

 

吉澤  

執行役員に1人女性がいますが、管理職比率はまだ低い。しかし、新入社員についてはここ10年、女性を25~30%の割合で採用しています。

 

大久保  

その世代がリーダーを担う年齢になったときどうなるか。そのためには若いうちから、将来の管理職として期待しているというメッセージ、成長する機会の提供が必要です。

 

吉澤  

そうですね。あとはロールモデルをいかに増やすかでしょう。女性社員は、そばに女性管理職がいるかどうかで大きく変わる。すべての女性社員を女性管理職のもとに配置するのは難しいので、女性社員のフォーラムを開催し、そこに参加してもらう仕組みで補おうと考えています。具体的にはダイバーシティ推進室と連携した女性ワーキンググループ、「Win-D(ウィンド)」を立ち上げ、社長との対談や、ほかの企業を訪問して話を聞くなどの女性ロールモデルを共有する活動を進めています。ただ女性の場合、産休・育休、そして時短勤務などによる3~6年のブランクがどうしてもネックになりますね。人事としては、復帰後のパフォーマンスが高ければ、休職中も同等の力を発揮したとみなして、ブランク期間を勘案せずに昇格させるといった工夫はしていますが。

 

大久保  

いちばん大きな壁はそこです。時間的な制約があると、マネジメントする側もつい重要度の低い仕事を任せてしまう。期待されないと人の成長は鈍くなるものです。

 

吉澤  

ただ、よく話を聞くと些細な問題である場合も多い。たとえば、保育所が朝早く開所するので自分は8時半に出社できるのに会社が個人的なシフトを認めてくれない、というように。こうしたことは在宅勤務同様、マネジメントの工夫で解決できる問題です。もっときめ細かな対応をすることで、今から解決できる問題はまだまだあるのではないかと思っています。

(TEXT/荻原 美佳 PHOTO/刑部 友康)

 

     
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