対談タイトル
未来予測ロゴ   若手のアイデアを形にする
     
大久保  

先進性、積極性を培うにはどうしたらいいのでしょうか。

 

加藤  

鍵を握るのは若い人だと思います。三菱地所ビルマネジメントでは、当時、社長の私を囲みながら、入社 3年目くらいまでの若手社員を対象に、ざっくばらんに何でも話せる早朝会議を定期的に開いていたのですが、ある時、入社1年目の女性が「丸の内にやって来る就活学生の支援をしたい」と言うのです。慣れないスーツを着て、道に迷いながら、汗だくになって頑張っている彼らを助けたい、と。具体的には、就活学生割引を飲食店に持ちかけたり、道に迷わないための地図をつくりたいということでした。面白そうでしたから、「やってみなさい」と許可したら、チームをつくって立派にやり遂げました。学生にもすごく好評でした。

 

大久保  

人材育成の鉄則の1つが、キャリアの浅いうちに、アイデアを出し、やり遂げるというサイクルを回させることです。会社の仕事はチームでやるものですが、チーム全員のモチベーションを高めるには、個々のメンバー自身が「これがやりたい」と思うことを実現させてあげることが大切だということが、人材育成に関する研究成果からわかっています。それがチームで働く効力感につながっていくのです。

 

加藤  

まさに私たちがやってきたことですね。

 

大久保  

もう1つ、御社のやり方が優れているのは、「鉄は熱いうちに打て」を実践されていることです。これも育成の鉄則ですが、入社3年目までの過ごし方がその後のキャリアに非常に大きな影響を与えます。

 

加藤  

嬉しい話です。さっきまで学生だった新人がそこまでやれることに私も驚きました。これで味をしめ、社員から色々なアイデアを出させて実行させることで、会社を変えていこうと思いました。社員の家族を職場に招待するキッズデー、女性限定の社内イベントであるレディースデー、自分の何らかの「記念日」が休みになる記念日休暇、ペットが亡くなったら1日休めるペット忌引休暇(ただし、犬と猫限定)など、全部社員のアイデアが形になったものです。そうすると、「面白いことやっているな」という評判がグループ会社の中で広まり、「次はあそこに異動したい」という声が上がるようになりました。先ほども言いましたように、従来の私どもは保守的なイメージが強く、何かをやる時も他社追随が多かったのですが、ここに来て明らかに雰囲気が変わってきました。そうやって、グループ会社同士が競い合うようになったらいいと思います。

 

大久保  

「BREAKTHROUGH 2020」にある「多様性と活力のある組織風土づくり」にまさに直結する動きですね。

(TEXT/荻野 進介 PHOTO/刑部 友康)

 

     
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