Column

アフリカ

中間所得層が増加するアフリカ諸国では、資源開発や製造業だけでなく、消費やサービスの分野に着目する企業が増えている。また、在アフリカ日系企業が進出国内や周辺国で事業を拡大する動きもみられ、現地のビジネス環境に詳しい人材の獲得が、以前に増して重要となっている。
アフリカビジネスパートナーズの梅本優香里氏が、現地で人材を採用する際の方法と注意点についてアドバイスする。

◆高学歴や専門性の高い人材の採用には、好待遇・権限・キャリアプランの提示が必要。

◆ナイジェリアで日本流に育成した現地の管理職が、他のアフリカ諸国へ事業を拡大するキーパーソンとなっている。

 


 アフリカで、日本企業が幹部候補を採用、育成する方法

アフリカ諸国で、現地人材の雇用を経験したことがある日本企業はまだ少ないだろう。日本企業のアフリカでの拠点数は、2013年10月時点で584拠点となった(外務省調べ)。アフリカで販売や製造を行い、アフリカ企業とパートナーシップを組む企業が増えるにつれて、日本企業で働くアフリカの現地人材も増えてきている。現地の知見が少ない日本人にとって、ネットワークを持ち市場やビジネス環境に詳しい現地人材は、事業の成功と拡大を左右する存在だろう。日本企業の進出数が多い南アフリカとケニア、そしてナイジェリアでの事例を取り上げ、採用と育成のコツを取り上げてみたい。

南アフリカ市街地

ポテンシャルを持つ人材を採用するには
アフリカは、失業率の高さや貧困が取り上げられることが多いが、欧米の有名大学院などで学び祖国に戻ってきた「ディアスポラ」と言われる高度人材や、専門性の高い人材に限ると、需要が供給を上回る。南アフリカやケニアのようなビジネスが発達している国の都市部には、外資企業のアフリカ統括本部や研究機関、金融機関、国連をはじめとする国際機関および現地資本の有力企業などが集積しており、給料は高止まりしている。これらの人材を雇用する際は、一般的に日本で同じ責務に就く人材よりも高い給与やよい待遇を用意する必要がある。労働意識やキャリアへの考え方は欧米のそれと変わりなく、彼らに興味を持ってもらえるような権限やキャリアプランの提示が求められる。

一方で、現地の大学を卒業した一般人材の場合、大学進学率が上昇している現在では、トップ校で優秀な成績を修めた人であっても、実務経験もなければと雇用されるのは容易ではない。彼らはチャンスを求めているため、職場のやり方を取り入れて意欲的に働くことが多い。日本企業は海外拠点においても、職務記述書(ジョブディスクリプション)を明確にせず、特定の技能・職能であるハードスキルよりも人の資質であるソフトスキルや企業固有のノウハウへの適合性を従業員に求め、メンバーシップ型の組織運営を行う傾向が強い。このような「日本流」のやり方を遂行するためには、優秀な新卒を採用し、丁寧なOJTを行い育てるのがよい場合もある。

なお、日本語を話せる現地人材は少なく、いてもその人材レベル、信頼度は玉石混淆である。日本語での執筆や会話が必須な職務である場合を除いて、言語に大きな比重は置かずに、人物本位で採用する方がよい。

2015年04月13日