Column


学生も、インターンシップ参加理由のトップに“就職先の確保”を挙げている
先述のマリリン・マッケス氏によると、NACEの別の調査では、学生のインターンシップ参加目的で最も多いのは、就職先の確保である。つまり、米国におけるインターンシップは、学生にとっても、就職のための重要な手段と位置づけられている。マッケス氏は、「学生がインターンシップで最も重視しているのは、自己成長の機会を得ることであり、プロフェッショナルとしてのキャリアの発展につながるような知識やスキルを得ることだ」と述べる。そのため、「インターンシップで学生に与えられる職務が単純作業や周辺業務に終始してしまうと、学生は、この企業は採用に熱心ではないと思いかねない」と同氏は指摘する。

雇用主側も、こうした彼らの期待に応えようとしていることは『2015 Internships USA』調査結果からも伺える。インターン生に与える業務の中で、「問題解決に費やす時間が51%以上を占める」企業は約57%あった。対して、管理業務や付随業務など、周辺業務を行っている時間はほとんどなく、0~10%が圧倒的だった(それぞれ、企業の約71%と92%)。

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たとえば、世界最大のレンタカーサービス企業、エンタープライズ・ホールディングス採用部門バイスプレジデントのマリー・アーティム氏によると、同社では、幹部候補の新入社員向け育成プログラムにインターン生も参加させており、従業員と同じ業務を体験させている。10~12週間のインターンシップ終了後、正社員として入社すれば、インターンシップに参加していない新入社員よりワンステップ進んだ段階から勤務をスタートできるという。

新卒採用に関するルールや規制がなく、各雇用主がインターンシッププログラムを自由に企画・設計して様々なチャレンジを行っている米国。この各国のインターンシップを探るコラムでは、様々な工夫を凝らした米国の企業のインターンシップ実施ケースも今後詳しく紹介していく予定である。

English version

icon_1r_322015 Internships USA: 米国大手グローバル企業のインターンシップ調査報告書

 


NACE National Association of Colleges and Employers(全米大学就職協議会)
1956年設立。全米約2,000の大学の6,300名以上のキャリアサービスプロフェッショナル、2,700名以上の雇用主側の大学新卒採用担当者などが加盟する会員組織。毎年、新卒採用トレンド、新卒初任給、インターンシップなどに関するレポートを発行しており、米国の大学新卒者採用の状況についての貴重な情報源となっている。

マリリン・マッケス氏 NACEエグゼクティブディレクター01_profile
米国の大学でキャリアサービスのエグゼクティブディレクターを務めた後、1997年にNACEに加入。現在は、同協会の経営管理、戦略的アライアンス管理、ボランティア/スタッフ育成/能力開発、メディア対応などを担当。キャリア開発や人材配置、高等教育と人材採用、キャリア開発・採用に対するテクノロジーの影響、グローバルなワークフォースに関する諸問題などについての研修や、コンサルテーションを専門分野としている。

脚注:
※1※4 リクルートキャリア 就職みらい研究所『就職白書2015 – インターンシップ編』
http://data.recruitcareer.co.jp/white_paper/2015/04/2015-c238.html
※2  リクルートワークス研究所『2015 Internships USA』調査概要
【調査期間】2015年3月26日~4月13日
【調査方法】インターネット
【調査対象】米国大手企業(従業員数5,000人~10万人以上)
【回答社数】41社
※3 米Vault社『Best Overall Internships』ランキング(2015)上位50社の公表されたインターンシッププログラム期間に基づく。
http://www.vault.com/internship-rankings/top-10-internships/
※5 NACE 『2015 Internship & Co-op Survey』
※6 CareerXroads『Reviewing Campus Recruiting Practices – 2015』調査概要
【調査期間】2015年1月15日~2月11日
【調査方法】インターネット
【調査対象】米国企業(従業員数1万人~10万人)
【回答社数】40社

TEXT=小林誠一

2015年06月09日