Column

フィンランドの概況 [雇用・労働]

1.経済概況
フィンランドの2012年の実質GDP成長率はマイナス1.0%だった。欧州債務危機の長期化に伴い、受注減、工場閉鎖が相次ぎ、景気が急速に悪化したことによる。企業が設備投資を手控え、総固定資本形成が0.8%減、個人消費も0.3%増と低迷したことに加え、輸出も0.2%減と不振だった。
2013年に入って景気は更に悪化し、実質GDP成長率はマイナス1.4%となった。個人消費が0.8%減、総固定資本形成が4.6%減と内需が冷え込んだことに加え、輸出も0.3%増と低迷が続いた。

財務省は2013年8月、2014年(暦年)予算案を発表した。歳入472億ユーロ、歳出539億ユーロで67億ユーロの赤字予算。この結果、対GDP比でみた2014年の一般政府財政収支は2.9%で、3%未満に辛うじて収まる見込みとし、一般政府債務残高は49%になるとした。同予算案の中で、政府は2014年のフィンランド経済について、2014年は1.2%のプラス成長に転じると予測した。
なお、2014年1月1日から法人税を24.5%から20%に引き下げた。
fin_01
2.雇用関係
(1)雇用契約形態及びその手続き
雇用契約法によると、雇用主は最初の給与支払い前に書面による契約書を交わす義務がある。あるいは従業員が特にそれを望まない場合でも、主要な雇用条件の概要を示す義務がある。契約に記載する項目は以下の通り。
両当事者の名前、住所、労働開始日、雇用期間(未定ならその旨記載)、試用期間、主要な職場の場所、主要業務、適用される労使協定、給与算定根拠、給与支払日、勤務時間、休暇算定根拠、契約終了の通告期間、海外勤務の長さ(プラス外貨での給与支払いなど)。

(2)試用期間
最長4カ月。ただし、従業員が就職後訓練を受けるような場合は期間を6カ月に延長できる。

(3)退職
通知は書面で行う。通知は勤務期間の長さによるが、最長6カ月。

(4)解雇
試用期間中はただちに通告して解雇できる。その他のケースでは法的に正当な根拠がなければならない。つまり当該従業員の不適格(アルコールの過剰摂取、突然の勤務拒否)、経済的・生産的事情(不況、販売不振、会社の組織変更などにより恒久的に仕事がなくなるなど)あるいは別の会社に事業部門が移転したなどの理由がないと解雇できない。解雇通知は個人宛に書面で行う。解雇通知期間は、勤務期間の長さによって異なり、勤務期間が1年以下:14日、1年超~4年以下:1カ月、4年超~8年以下:2カ月、8年超~12年以下:4カ月、12年超:6カ月。

(5)定年
定年は通常65歳。雇用契約にあらかじめ60歳と規定することは可能だが、その場合、年金保険料が増額される。老齢年金は65歳から雇用年金と国民年金として支給される。しかし、特定の職業については労使協定により、65歳より低い年齢に定年が決められる。よって56~64歳で何かの職に就くものはパートタイム年金を、完全に無職となるものはフルタイム年金を60歳から受け取れる。なお、年金の受給は65歳以降に延ばすこともできる。

2015年05月21日