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4.休暇制度関係
(1)休暇制度
法律上は1年間25日(土曜日を含めた4週間プラス1日)分の休暇権利が与えられる。60歳以上の者は1週間(実働6日分)追加の権利を有する。ただし2000年の労使協議で2001年に2日、2002年にさらに2日追加され、合計有給休暇が2002年に4週間(土曜含む)プラス5日で計5週間となる。休暇を取る時期は6月1日から9月30日の期間に3週間続けて休暇を取る権利を被用者は有する。残りもまとめて取る権利を有する。休暇の時期決定は休暇の2カ月前に発表するよう雇用主に要求できる。雇用主は休暇手当を支給することとし、休暇をとる年の前年給与(賃金、残業代等を含むが前年度の休暇手当は含まず)の10.2%、60歳以上は12.5%相当額。休暇手当は休暇開始前の通常給与日に全額支払われるのが一般的であるが、休暇が分割される場合は休暇手当もそれに応じて分割払いも可能。これについては労使間で最も合理的な支払い方法につき合意できる。休暇手当は被用者にとっては無税であるが、雇用主は通常の給与と同様、雇用主負担税(社会保険税)が課せられる。ただし、休暇中の賃金は支払われない。

(2)病欠
4日以上の病欠には医者の証明が必要。疾病による欠勤の場合、260日(52週間)にわたり100%賃金保障。最初の16日間は雇用主負担、それ以後は本人の社会保険料負担分を払い戻す形で国民健康保険制度が支払う。

(3)産休
出産直前の10カ月の内、最低6カ月就労していた者は、出産に伴い210日(42週間)の有給(全額)、減額(給与の80%)した場合、260日(52週間)の育児休暇の権利がある。このうち最高12週を出産前にとることが可能。出産直後の6週間は母親が取らねばならない。母親と父親が2人で有給休暇を分ける場合、労働環境法は母親、父親がそれぞれまとめて取るよう義務付けている。有給休暇のうち4週間は父親が取る権利を有し(通称パパ・クオータ制)、この分を父親が使い切らなかった場合、有給休暇はその分短縮される。

5.賃金関係
(1)最低賃金
基本的に最低賃金制度はないが、建設業、海事建設業、農業や園芸、清掃作業については業種別の最低賃金が存在する。(NOK1(クローネ)=16.383160円(10月28日時点))
例えば、建設業の時間当たり最低賃金額は、①熟練労働者:NOK174.10(約2,852円)、②建設工事の少なくとも1年間の経験を持つ非熟練労働者:NOK163.20、③建設工事の経験がない非熟練労働者:NOK156.60、④18歳未満の労働者:NOK105.10。

(2)時間外手当
通常労働時間と残業労働時間の合計が14時間を超えてはならない。1週10時間まで、また継続4週間で25時間まで、年間200時間を限度とし、それを超えてはならない。残業時間の賃金は通常の40%増しを支払う。

(3)社会保険
老齢年金、障害者年金、障害者手当、リハビリ手当、労働災害手当、片親手当、疾病時の現金支給(労働者本人、扶養家族)、出産、養子縁組、失業時の現金支給、疾病、障害、妊娠・出産時の医療費及び葬儀用費用の給付等を保障。給付額は基本額を基に決定。基本額は国会で一般歳入の増減に応じて毎年数回調整される。付加年金は毎年積み立てる点数により決定される。社会保険料の個人負担率は基本給の7.8%。

6.労使紛争解決のための法的手続き
通常はNHO(ノルウェー経営者連盟)及びLO(労働組合総同盟)の労使取り決めの枠内で解決が図られるが、それでも解決しない場合は、NHO、LO、政府関係者から成る労働争議裁判所で解決が図られる。

7.労働組合への加入
労働者は労働組合員になる権利を有する。組合員は通常給与の1%を組合費として支払い、組合費は所得税申告の控除対象になる。

出所 岩井晴美・独立行政法人日本貿易振興機構海外調査部欧州ロシアCIS課アドバイザーの解説・資料より作成

2015年05月14日