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テリア・ソネラ

女性管理職比率35%、フレキシブル・ワークを推進する
テリア・ソネラ

進出する国ごとに独自のブランドを持つ通信サービス企業03_1987
テリア・ソネラは、スウェーデンのテリア社とフィンランドのソネラ社が合併して設立した、EU内で第5位の情報通信事業者。欧州を中心に中央アジア諸国にも進出し、全世界に約1億7,500万人の携帯電話ユーザーを抱えるグローバル企業である。フィンランドにあるテリア・ソネラフィンランドは、ソネラ社を前身とするフィンランドで第2位の通信キャリアである。

同社は、光ファイバーアクセス網によるブロードバンドサービスや、固定電話(主に遠距離通信)、TVサービスなど、自前のインフラ網による幅広い通信サービスを提供している。サービスの提供先は59カ国にのぼり、売上高の約半分はモバイル通信事業が占めている。

同社の海外展開における特徴は、各国ごとのマーケティング戦略に合わせ、進出する国ごとに独自のブランド名を使用し、商標のみ全世界統一化している点である。

各国の労働法を補完するため、労使がパートナーシップを結ぶ
テリア・ソネラフィンランド社では2つの労働組合を有しているが、テリア・ソネラの基本姿勢としては、各国の労働法を補完する位置付けで労働協約や労働組合との個別協定を結んでいる。個別協定としては、労働安全衛生に関する合意や職場代表・委員に関する合意などがある。

賃金に関する交渉は、国の経済状況に交渉の内容が左右され、場合によっては政府が関与するケースもある。例えば、フィンランドでは、賃金に関して、3年ごとに産業別の労使交渉を実施することが一般的。フィンランドの労働市場の特徴として、①産業別の労働協約、②硬直的な賃金体系、③(産業別を含む)最低賃金制度が挙げられる。そのため、個別企業における賃金交渉の余地は少なく、労働慣行としてのストライキも決して珍しいことではない。

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内部人材を長期的なスパンで育成し、企業成長につなげる
北欧諸国は外部労働市場が整備されており、従業員の転職も日常茶飯事であることから、同じ企業における勤続年数は短い。労働市場の流動性が高いことは、企業にとってメリットである一方、北欧諸国においても、成長し続けている企業は、内部人材を長期的なスパンで育成を目指し、企業内の人材力強化に取り組んでいる。その点、同社の平均勤続年数は15年と、比較的長い。企業理念を理解し、忠誠心の高い内部人材が企業内において果たす役割も大きいとのことである。

競合の多い情報通信業界で競争力を維持していくためには、能力開発とモチベーション強化を通じて、技術革新などの変化に対する従業員の対応力を高めていく必要があると、同社は考えている。

能力開発の体系として、「①ビジネススキルや専門スキルなどテクニカルなノウハウの開発」「②上司からのコーチングやフィードバック」「③プロジェクトリーダーや海外勤務のアサイン等を通した経験による学び」があるが、同社はとりわけ「③経験による学び」を重視している。従業員の成長を生産性の向上に繋げていくため、従業員自らの意思を尊重し、トップダウンではなく、本人の自発的な業務意欲を向上させていくことを大切にしている。

2015年04月16日